第39話 魔宮沢で

 ヤンチャなワルガといえど、親から見れば可愛い我が子、行方不明となれば、なんとしてでも探し出そうと努力するもの。


 10人のうち1人の若者が乗るバイクには、GPS機能がある小さな発信機が取り付けられていた。


 若者には気づかれないように、どこに行っても居場所がわかるように、母親がバイクの見えにくい場所に、こっそり設置していた。


 母親がスマホで最後に所在確認した1週間ほど前、八王子方面から国道16号を走り、昭島市に入った所で地元青梅方面なら左折するところであるが、何かの気まぐれか右折し、新奥多摩街道を立川方面に走り始めていたところであった。


 魔宮沢の交差点に向かって⋯⋯


 「総括、ガイシャと思われる若者たちの1台のバイクにGPSが設置されていたようです。、八王子から青梅に戻る途中、堂方上の交差点を右折し、新奥多摩街道を立川方面に走り始めたところまで確認できたとのことです」


 「魔宮沢か⋯⋯」

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