第38話 消失

 バイクに乗った10人のヤンチャな若者たちが、あのコンビニで突然消えてしまって既に1週間が経過していた。


 どうやら主に青梅市内に住む若者たちのグループのようで、帰らず音沙汰もない若者の家族から、青梅警察署に何件かの問い合わせがあったようだ。


 「1日、2日は帰ってこないのは、いつものことだけど、とりあえず電話連絡くらいはしてくるのに、もう何日も何の音沙汰もないんで、交通事故でも起こしんじゃないかと心配になって·······」


 外ではヤンチャな若者たちも、大半は家に帰れば普通の若者のようだ。連絡もない家族からすれば心配するのは当然のことだろう。


 魔界都市を取り締まる昭島警察にも当然連絡は入っており、署内に特別設置された猫原警視正が率いる警視庁官直轄の精鋭部隊『妖物対策本部』にも情報が流れていた。


 「総括、10人の悪ガキと10台のバイクまでもが突然消えて1週間、何の手がかりもないということは、やはり例の事件でしょうか?」

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