第20話 焦るな

「小林、そう言うな。相手が同じ人間であってもホシを探すのには、まず情報収集からだ。長い事件なら何年、いや10年超えも当たり前にある。」


「確かに総括のおっしゃる通りです。一般の強行犯でもネタ探しに時間がかかる、ましてや相手が人間じゃない化け物、時間や手間がかかるのは分かりますが、我々は化け物の何をつかめばいいのか、それさえ分からない状態ですから·······」


「総括、自分も小林班長と同じく、時間はかかるのは当然。しかし、具体的に化け物の何を探れば良いのか、せめて目標だけでも明確になれば、多少はスッキリするのですが」


「みんな、逸る気持ちは分かるが、そう焦るな。何度も言うが、相手は具体的に見た者さえ存在しない化け物。見た者はたぶん全て喰らわれてるからな。大きさは?どんな形状なのか?弱点はあるのか?どのように現れるのか?全くの情報なしじゃ戦えないんだ。だからせめて、何か僅かな情報でも集めて、ヤツらを倒す体制を整えなくちゃならないんだ。」

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