第19話 情報収集

 昭島署内の特別会議室『警視庁妖物対策本部』、総括の猫原警視正、班長の警視2人、キャリア若手警部数人に、高僧、妖奇識者等を加えたメンバーが事件解析を行っていた。

 

 「総括、やはり現場にはヤツらに関する物証は何ひとつ残っちゃいませんでした。ガイシャの車、衣服の一部と女性用ヒールが片方だけです」


 「相手は異世界の化け物、この事件もいつもと同じガイシャは消失。たぶん喰らわれてしまったのだろう。残された車に衣服、ヒールでガイシャの割り出しは所轄の方で片付けてくれるだろう」


 「警視正、少しでも手がかりが掴めないものでしょうか?我ら密教の者も、妖奇関係の先生方も何も動けなくて、心苦しい次第です」


 「中村老師、気にされるな。手がかりがないのは本官達も同じ。我ら妖対本部の役割は、犯人探しではなく、市民の安全を確保すること、そして今は化け物の情報を少しでも収集すること」


 「総括、わかってはいますけど、ヤツらの情報収集だけじゃ、何の解決にもならないんじゃないですか?」

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