第18話 猫神のお告げ

 猫原警視正は、幼少の頃か妖しい事件起こると、『猫神さまのお告げ』と言われる知らせが聞こえていた。その内容は、事件発生地に関するものであった。


 猫又神社の宮司の血筋を引くもののうち、現在、お告げを聞ける者は猫原警視正1人である。今回の事件も携帯にお告げが流れ、すぐさま部下を現場に向かわせたのであった。


 「班長、やはりガイシャの身元を証するものは何もありません。あるのは道路に撒き散らかされた大量の血痕だけです。」

 「クソッ、また例のヤツか?総括から妖奇案件だという指令だったからな。これもたぶんオミヤ入りか。お前から強行犯捜査係長に、困難案件だから我々妖対に任せて、とりあえず署で待機するように話しておけ。」

 「はい班長、了解しました。」


 最近の昭島市内における強行犯事件の大半は妖奇事件であり、通常の強行犯事件の発生はほとんどない。刑組対策課の署員も、ほとんどは妖対本部の指揮下に入り、未解決の妖奇事件の後始末に対応しているようだ。

 

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