第16話 ゲンニン
丑三つ時の魔宮沢の交差点。他県からの来訪者若者2人は、突然現れた闇の巨塊に車ごと激突した。大破した車からは逃れたものの、闇から産まれた異界のものに喰らわれ、既に命あるときの形を霧消していた。
1時間も経たぬうち、魔宮沢交差点に、けたたましいパトカーの音が鳴り響き、息を潜めて眠る近隣の市民の耳を叩いた。妖奇事件の発生を感じた市民からの通報によるものであろう。
「どうだ、ガイシャは?」
「いや不明です。妖対がゲンニン中です」
「また例のヤツか·······」
「妖対が仕切ってますんで、間違いないと思われます」
地元昭島署は帝都警視庁第八方面本部に所属し、6課構成で署員およそ200人の組織である。しかし管内に頻発する妖奇事件に対し、昭島署内特別室に
警視庁総務部企画課『妖物対策本部』が急遽組織され配置された。
『妖物対策本部』は、警視正をトップに、班長に警視2人、実働部隊としてキャリアの若手警部数人、さらに異能力を有する高僧、学者等を配置と聞き及ぶが詳細は明らかではない。
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