第15話 新たなる猫神

 「つまらんことを言ってるんじゃない。我らは神の御心に従うのみ」

 「あら皓(しろ)って、いっつも真面目な話ばっかり。つまんない」

 「私の話がつまらないのじゃなくて、お前たちの話がおかしい」

 「確かに魄(たま)はちょっとおかしいけど、俺は全然普通だよ」

 「何よ、涅(くろ)ったら、自分だけ良い子になるつもり」


 この猫神城に棲む猫神、涅(くろ)と魄(たま)の2柱だけではないようだ。3柱目の猫神、皓(しろ)が出現。


 神、その存在、その出現、その降臨、その繋がり等々全てにわたり知り得る者などいない。知る者がいないからこそ、即ち神なのだ。


 神の子孫、神の末裔などと呼ばれる者たちは、神の気まぐれにより人と交わり、その結果生じた現人神や神の使徒などである。純粋で生粋なる神とは異なる存在であると考えられる。


 天から降臨された天津神である猫神もまた、その存在御姿が霞見できるのは古文書の記載のみであり、涅(くろ)、魄(たま)、皓(しろ)の真を知るのは、永遠に流れる時だけであろう。

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