第13話 護守御姿の出現
昭島市民が日常飲用しているのは、帝都配給の消毒水道水ではない。日出処の民が、古より飲用している御鯨水である。
神がこの地の護守として置かれた御鯨は、地下深くにおいて幾代も御鯨形と水形に変巡しながら、地を民を護り続けていたが、2013年3月に昭島市内の多摩川河川敷で160万年前の鯨の化石として発見された。
学名「エスクリクティウス アキシマエンシス」と名付けられたことは、世界中で知らぬ者はいない歴史的事実である。
かっての御鯨姿を出現されたものの、水形に変巡され地下鯨脈として流れる御鯨水は、神の御力を失しなうことなく、市民の守護を続けているようだ。
さらに古事記には、神が愛でられた尊き愛猫を、天津神として遣わされたとの記述もある。この天津神こそ、魔界都市に存する猫神伝説の創と聞き及んでいる。
異界から侵略する妖物さえ拉ぐ猫神の伝説は、国内はもとより妖物対策に苦慮する国連におかれても、重要な研究対象となっている。
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