第11話 日出処の民

 ご神水といわれる『御鯨水(おんくじらみず)』については、日本国政府においても国家的極秘事項として取り扱われているところではあるが、本作品を読まれる智徳の高い読者の皆さんにだけは、脱腸の想いでこっそりお話しておこう。


 かって神が地球を創世された46億年前の冥王代、始生代、原生代、そして顕生代の古生代→中生代→新生代と、時を刻む地球史において、人類の祖であるホモサビエンスは、解剖学的には新生代の20万年前、アフリカ南部のボツワナ北部で誕生したという説が有力であった。


 しかし近年、その遥か昔、中生代には既に神の御力により人類を導く者として、日出処、神国日本が創立され、その中心である現帝都は多摩の地に、日出処の民の祖先が出現していたとの史実が発見された。


 この神国の誕生、日出処の民の出現については、古代ギリシャのヘロドトスが紀元前5世紀に著した『ヒストリア』にも、さり気なく記されており、さらには神国の古事記にも密やかに書き綴られていた言われている。

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