第8話 妖物対策本部

 魔宮沢の交差点に接するセブンイレブンの広い駐車場。青黒い闇の中に浮かぶ魔城の中で流れる囁き。


 数千年、いや数万年前からこの地に、古から御座す猫神魄(たま)と猫神涅(くろ)の2柱の神であろう。


 私利私欲に溺れる政界、正義を忘れたマスコミ、性を貪る芸能界等々世の中は千々に乱れ、帝都東京においても、妖物・魔物が跋扈し、妖奇事件が多発している。


 帝都の魔界都市昭島では、妖奇事件は日常茶飯事のごとく頻発し、警視庁においても2023年昭島警察署に、国内初めての『妖物対策本部』を創設したのもやむを得ない状況といえる。


 妖奇事件においては、被害者の存在が霧のように消失する。理由は簡単である。丸ごと喰らわれるからだ。


 残された遺失物、飛び散ったり血液の痕跡により消えた被害者が推定されるのみである。


 昭島署妖対本部には、桜田門から強い要請を受けた高僧や霊能力者が集められ、解き明かせるはずもい事件解決に向けての無駄な努力が続いている。

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