第7話 闇に流れる囁き
魔宮沢の交差点の不可思議な事故、そして突然出現した禍々しい闇の塊に、訳さえ分からずただ恐怖する他県来訪者である若いカップル。
帝都東京の魔界都市昭島、魔宮沢の交差点、時は丑三つ時。何かが起こる、いや何かが起こらぬはずなどない·····
魔宮沢の交差点に設置されたセブンイレブンには、意味もなく広い駐車場がある。いや意味がない訳ではない。魔界都市だからこそ必然に現れる伝説の魔城のために、広い神域を有しているのかもしれない。
今夜も広い駐車場の青黒い闇に、古城が黒く浮かんでいる。淡い灯りが闇を溶かし、神国の花、さくらの香のかほりが闇に漂う。
囁くような微かな声が流れる。
「また出たみたい·····」
「どうする?魄(たま)」
「どうするって何?」
「救けるか?それとも·····」
「市の民じゃないからね」
「じゃあ放っておくってこと?」
「涅(くろ)、行きたけりゃあなたが行ったら」
「市の民じゃないし、帝都の民でもないからな」
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