第3話 魔域進化
立川市から路線バスが拝島に向かう旧奥多摩街道の中途に、新奥多摩街道と交差する宮沢と呼ばれる魔域が存在する。
都内、日本国内、いや地球上にある最凶魔域とWHOでも秘密裏に認定されていることを知る者は極わずかではあるが、この地域に長く居住する者は、見えない魔域の影響により、少しづつ形態進化を余儀なくされているようだ。
鋭い歯が生える。耳先が尖る。舌先が2つに裂ける。瞳が金色に光る。体毛が濃くなる。などは国が把握している進化の在り方である。
これらの形態進化が認められるといっても、その進化により魔物に喰らわれる心配が無くなることなどない。
人間社会において、より攻撃的、より凶暴になる程度のレベルであり、魔物に対抗でき得る能力を取得する訳でもなく、所詮は弱者人間の範囲内の進化でしかない。
最近、ニュースを賑わす凶暴な事件の多発も、このような魔域進化によるものであるのかもしれない。
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