第19話「創作物の酒クズのこと」

 2023/10/10、禁酒生活14日目(治療を始めて33日目)


 皆様、こんばんは! 更新が遅れてしまってごめんなさい。ちょっと体調が悪くて寝てました。これはアルコール依存症とは関係なくて、まれによくなるんです。双極性障害って、いわゆる「躁うつ病」みたいなもので、躁とうつを繰り返す感じです。この切り替わりのタイミングなんかも、体調を崩しやすいですね。

 あと、低気圧ね、気圧ね!


 さて、今日は漫画やゲーム、アニメやラノベに出てくるアルコール依存症っぽいキャラの話。皆様の好きなコンテンツにも、酒クズいませんか? 酒クズとまでは言わなくても「お酒が好きで頻繁に作中で飲酒しているキャラ」ってのが、いろんなコンテンツに登場すると思うんです。

 ながやんが知ってるだけでも、廣井きくり(ぼっち・ざ・ろっく)、荊軻(FGO)、ウルド(ああっ女神さまっ)、グレッグ(エリア88)、プリンツ・オイゲン(アズールレーン)など、無数に存在します。主にオッサン系のキャラが多いんですが、最近は妙齢の美女キャラも多く「お酒が好き」というのが一つの萌え属性になりつつあるような気もします。

 創作物のキャラには肝臓や健康問題がないんですよね。

 そして、飲んだくれてても、結構何故か人間関係が充実だったりします。


 勿論、創作物にも「嫌われる本物の酒クズ」は存在します。

 しかしそれは、作者が意図的に受け手側の感動の導線を誘導するための、なるべくしてなった酒クズと申しますか……基本、創作物の酒クズは「嫌われるための極端な酒クズ」と「何故か好かれるけど本質的に酒クズ」の二種類が存在し、作品の物語の進行に合わせて使い分けられているんですね。


 僕の好きな漫画で、遠藤浩輝先生の「EDEN」ってSF漫画があるんですが、これは凄く面白い(そしてエグくてグロい)のでオススメです。この漫画、上記の二種類の酒クズが両方出てくるという、珍しい作品でもあります。

 一人は、娼婦(主人公がお世話になっている恋人)の同僚が世話してる、ヒモの男ですね。飲んでは寝て、女にだけは優しくて、でも働かずに飲んでばかりで、最後は女の金を全部盗んでとんずらします。まあ、その女もそのあと、さらに悪い酒クズの男につかまるんですが(笑)なんていうか「これぞ人間のクズ、最低の酒飲み!」っていうキャラクターも、創作の世界では重要なガジェットとして配置される事があるんですね。

 逆に、地球を滅亡? から救う優秀な科学者なんだけど、五時を過ぎると残業中でも酒を飲みだすオッサンというキャラも登場します。非常にクールでクレバー、知的で紳士的、そして健康を気遣ってくれる同僚の(ちょっとフラグ立ってる感じの)女性科学者と一緒です。この人はグビグビ飲んでても、仕事はきっちりするしいつでも理性的で、最後もどうやらハッピーエンドを迎えたっぽいんですよね。


 大事なのは、創作物はあくまで架空の世界、僕たち人間が見て感動するためだけのコンテンツだということ。現実の我々の世界には、酒クズ、いわゆるアルコール依存症やアルコール中毒の人間は、基本的に周囲の人間にとってマイナスでしかないでしょう。プラス要素があったとしても、マイナス要素の方が大きいので、結果的にトータルではマイナスになるんじゃないでしょうか。

 勿論、酒飲みで酒ばかり飲んで、飲んじゃいけない状態になっても飲み続けて、それでも愛された人間は数多く存在します。例えば、末期がんでもお酒を飲み続けた赤塚不二夫先生。でも、それを家族や親しい人たちはどんな思いで世話していたんでしょうね。そういう想像力を忘れてはいけないような気がします。


 皆様の好きな作品に、お酒の好きなキャラクター、頻繁に飲酒しているキャラクターは登場しますか? 彼ら彼女らは架空の存在なので、壊れる肝臓も悪化する健康な肉体も持ちません。そして、飲酒という特別な状態から物語に関わるため、あるいは、飲酒してしか物語に居場所がない立ち位置というものを見せるために、そう作られてるんです。現実は残念ながら、酒クズは百害あって一利なし、でしょう。

 だから、節度を持って飲むことが大事だし、節度が守れないならもう飲むべきではないのかも知れません。お酒を飲む時はいつも、周囲に飲酒を見守ってくれてる人がいる。その人たちの想いを考える想像力が大事なのかもしれません。

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