第7話「長物家の気風のこと」
2023/09/21、禁酒生活14日目。
二週間禁酒した訳ですが、特にこれといった変化はありません。ただ、朝ごはんが美味しかったり、ちゃんと食べられたりしてますね。あとは、朝に歯磨きをシテモオエップ! ってならなくなったのは嬉しいです。
さてさて、今日は我が家のパッパがまだ元気だった頃の話。
そもそも、長物家は……実は酒飲み一家だったんですね。
基本的にパッパもマッマも、お酒が大好きな人種です。勿論僕もです。ですが、我が家には「金土日以外は、特別なことがない限り飲まない」というお約束がありました。両親はこれを律儀に守ってたんですが、僕だけ毎日飲んでた感じですね。
また、この家庭内ルールは結構ガバガバでした(笑)
パッパはがんが見つかって抗がん剤治療を始めるまで、とてもお酒の好きな人でした。まあ、一番お酒に弱いんですが。特に日本酒が好きで、日曜日なんかは昼食のあとから家族三人で昼酒を飲むことも多々ありました。
我が家、家族飲みが盛んな文化がありまして、団らんの一環で飲んでました。
今はもうなくなったかもしれませんが、土曜の夜にNHKラジオでFMシアターという番組がありました。ラジオ放送劇をやってて、それの録音を日曜の昼にみんなで聴く訳です。勿論、飲みながら。
他にも、家族でお酒を飲むと色々な話題が飛び出ました。創作論から(パッパは劇作家だったし、両親とも俳句や短歌をやるので)歴史、経済、時々政治。芸能関係の話は三人共疎いので、あまり出ませんでしたね。
あと、夏は最近は青森も暑くて、そんな日の夜は平日でも飲んでました。
パッパが突然、作業中の僕の部屋に来て「なあ、守や……夏を語らないか?」と言うんです。要約すると「暑いから冷たいビールでも飲もうや」という話で、僕がササッとビールを買いに行くわけです。
とても楽しい、和気あいあいとした日々でした。
時々マッマが悪く酔う以外は、平和そのものでしたね。
でも、こうして家族で楽しく飲んだあと……両親が寝ると、一人で二次会を始めてしまうのが僕でした。やっぱりね、年老いた両親は早寝早起きなんですよね(笑)
そして、パッパは謎の貧血が続いた挙句、突然ステージ4のがんが発見され、酒を断ちました。将棋と創作、クラシック音楽といった趣味よりも大好きだったお酒を、辞めた訳です。
僕も今、お酒を辞めてみてます。
ほんの少しだけでも、パッパの強い意志を感じる毎日ですね。
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