第3話「飲まずにはいられない理由のこと」

 2023/09/14、禁酒生活7日目。


 若い頃からお酒が大好きでした。

 学生時代から男子寮生活で、みんなで毎晩宴会しながらゲームしまくってましたね。専門学校ではほとんど勉強らしい勉強もせず、遊び惚けてました。

 で、就職して上京した訳です。


 プログラマとしてサラリーマン生活を始めたのですが、正直幸運でした。就職氷河期のロスジェネ世代としては、ストレートに新卒で正社員として就職できたんです。

 でも、そこからが地獄でした。

 子供の頃から「変な奴、頭がおかしい奴」だった僕に、サラリーマン生活は結構難しかったです。後述しますが、軽度のアスペルガー症候群を持っていたんですね。

 あと、主にF通関連なんですが、デスマーチ案件多過ぎィ!

 徹夜に次ぐ徹夜、終電に乗れる日は幸運な日。

 真夜中の会社でラジオからJET STREAMのあの「ジェットストリィームー」の声が聴こえてくるだけでトラウマが蘇ります。パワハラもあって、完全に僕の精神は壊れてしまいました。

 ネトゲや創作の友達、リアルフレがいなかったら飛んでますね、これ(笑)

 で、この頃から飲み過ぎになっていった記憶があります。


 退職して地元に帰省し、親の実家で暮らすことにしたんですが、田舎に帰ってからも仕事が上手くいかず、就職と退職を短期間で何度も繰り返しました。一般事務員やったり、職業訓練校を経て電気工事士とかもやってみたんでしたが、駄目でしたね。

 で、心療内科に通い始めて精神疾患を知るんですが、ショックでした。

 そして、やはり酒量が増えていきました。

 自死も試みたんですが失敗しまして……お恥ずかしい限りです。

 結局、僕は軽度のアスペルガー症候群がある上に、両極性障害(昔でいうそう鬱病のことです)と診断されました。そう状態の時はハイテンションになり、陽気に酒を飲みました。鬱状態の時は、部屋の隅で小さくなって酒を飲んでましたね。

 不安なんです。

 絶望堕ちみたいな感じで、つい。

 でも、お酒を飲むと気が晴れるような気がしたんです。


 結局、僕は「どうせ一般社会の仕事ができないなら、好きなことやって生きていこう」と小説家を志します。で、まあ、紆余曲折を経てプロのラノベ作家としてデビューさせてもらったんですが……僕は長年の生活で一つ、呪いじみた教訓を得ていました。行く先々でパワハラを受け、いじめられて泣いてたからです。


 それは「」という思い込みです。


 前にも書きましたが、僕は自分に精神疾患があることを編集部に隠し、見事にラノベ作家として働き始めた訳です。そしてすぐ挫折しました。打ち切り三連発、なにを書いても売れず、担当の編集者さんとの打ち合わせはもう、毎回ガクブルで半泣き状態でした。担当さんともあまり相性がよくなくて、さりとて担当を変えてもらえないかと申し出てもなかなかでした。

 そんな訳でハイ、これはもう飲むしかねぇ! ってなる訳ですね。


 この頃からずっと心療内科に通ってましたが、今度は酷い不眠症に悩まされました。こうなるとやっぱり、寝酒しかねぇ! って……こう、なにかにつけストレス解消の逃げ道が酒しかなかった印象です。いい大人がなにやってんだ、と思うこともあります。

 結局、ラノベ作家の職も失い(これは自業自得なんですが)こうして今にいたります。公募やコンテストでまた実績を作って、プロ作家として再デビューしたいんですが、この世には辛いことが多過ぎました。

 趣味としてゲームや創作があるんですが、そこからもやはり大なり小なりストレスが生まれます。ストレスの生まれないストレス解消法を、僕はお酒しか知らなかったんですね。なんともみっともない生き方をしてきたものですねえ(笑)

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