感想戦が出ていた件 読者によりそう小説って話

 カクヨム公式様から、カクコン8の感想戦なるものが出ていた。 

 https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon9_kansosen


 これを踏まえて思った事を書きながら考察していこうかなと思う。

 全体的に眺めた結果、この記事は書き手に自分の本が売られているイメージをもって書くことを促しているように思えた。



 ◆文字数について。


『応募要項の文字数の下限になっている10万字は大体文庫1冊分の文字数。執筆するときも『自分の作品はここまでで1冊分になるんだ』って意識してもらえるとよい』


 とあった。気の利いた書き手の中では割と常識だと思うけど、10万~15万文字で一区切りつけて書くのがよろしかろうって話だね。


 本になった時に、起承転結ついてない話で、ぶつ切れで次の巻行くのはありえないもんなぁ。

 

 ◆タグについて


『「主人公の性別や年代がわかるタグ(『男主人公』『女主人公』『学生』『社会人』など)がついているとありがたい~中略~読者のターゲットを前もって想定してから読み始めたい』


 これ大事だよね。を明確にして書いて欲しいって事だ。この話ではタグについての言説なのだけれど、小説全体にも言える事で、ターゲットを意識して書いてる?? って話だよね。


 世の中にはいろんな小説があるけれど、だいたい〇〇もの とか、××系とかある程度ジャンル分け出来るようになっている。中には完全に独特な唯一無二の小説もあるけれど、あくまで少数派。


 ~~っぽいっていうのは大事で、読者や購買者も「~~っぽいものが読みたい」というニーズを元に買ったり、カクヨムで探したりしている。~~っぽいものを探すための大きな要素が、主人公の属性って訳だ。


 読者は基本的に主人公の背中に立って物語を読むもんなぁ。ワカル。


 ◆オリジナリティやアイデアをタグに


『これは自分だけのオリジナルのアイデアで面白いと思っている、新規性のある要素がタイトルやタグに盛り込んである作品は『おっ!』と思います』


 今では大人気になった【ダンジョン配信】とか【バズり】とかのタグも最初は新規性があって目を引くタグだったと思う。完全に新機軸を打ち出すなら、どんどんアピってけって話だね。


 ◆編集部が求める作品とは?


 まず前半

 ・新しい魅力やチャレンジ性

 ・自分の作品だけにある圧倒的な特徴

 ・独自のキャラクター性や設定

 ・のびのびと書いているオリジナリティのある作品


 などが赤字で強調してある。これは言葉通りの事だねー。だいたいのコンテストや新人賞で言われる事。今までにあるような話じゃなくて(まぁ二匹目三匹目のドジョウとして取られる事は多々あるとは思うけど、本質的にはね)もってこいと言っている。


 とはいえ、新しいジャンルは読専さんは読んでくれないじゃん。保守的じゃん……と思ったりもする。


 新機軸でありながら、読専さんをがばちょと掴める強い作品を持ってこいって事だろう。(異ファン・現ファン・ラブコメ)あたりのジャンルは☆四桁が受賞可能な最低条件だと個人的に思っている。異論は認める。が、データではそうなっている。


 新機軸がありながら、数字が取れるモノ。それが望まれている。


 ◆商品価値のある作品


 ①『テーマの深堀りやエンタメ性に気を配って、読者を楽しませる目線を持った作品~後略』


 大事だよね読者目線。

 自分の世界観を分ってほしい。って気持ちが書き手にある。“自分は”この話面白いと思う! ってアイデアはみんな持ってる。


 だけどそれは他人にウケるのか? ウケるとしたらどれくらいの人にウケる? ウケにくいとしたら、ウケるように加工は可能か? 構成や文体の調整でどこまでハードル下げられる? とかいろいろ考えて書いてねって事だと思う。


 テーマやジャンルも作品ごとに多種多様だとは思うんだけど、読み専さんが沢山つく作品はやはりここが優れているんだと思う。書きたいテーマだけを無策でぶん投げちゃ駄目だ。読者さんが摂取できるようにちゃんと料理しようねって話だ。


 同時にテーマの深堀りってところが気になった。きちんと素材の味が最大限になるようにしないといけない。難しい。



『冒頭で読者の心をがっちり掴む作品と~中略~Web小説とは違って、書籍ははじめが面白くないとまず買ってもらえない』


 つかみは大切だってずっと言われるやつだね。

 だらだらと世界観説明や、面白くない描写が進む小説は誰も読まないよってことだね。基本中の基本だ。


 最初の5000文字までで、「これ気になるな」って多かれ少なかれ興味を引いて、最低2万文字までで、「これ面白いわ……っ!」ってならせないと駄目ってことだ。


 あとは要綱はちゃんと読もうねとか当たり前の事が書いてある。

 思ったよりも基本的なことばかりである。逆にいうと、当たり前の事が盛り込めていない作品が多いということだろう。


 ・Web小説サイトならではの特徴がある作品


 最後に書いてあるこの一文。直前にホラーやミステリの話が出ているからそこにかかっている? ホラーやミステリ分野は特に、一般公募に出すような作品の構成では駄目なんだろう。


 いろんな権威がある賞が別にあるし、ジャンルとしてターゲット層も保守的な気がする。ミステリなんかは著明で、~~賞受賞の期待の新人! とかじゃないと読まれない気がする。


 ホラーでも、『近畿地方のある場所について』のように、都市伝説的というか、現代に潜む系のものが求められている印象がある。多分大江戸幽霊物語とかは、あんまり(あくまであんまりだ。突き抜けて面白いものであれば取られるだろう)求められてないと思う。


 ファンタジーやラブコメでもそうだろう。WebはWebで公募のファンタジーやラブコメとはちょっとお作法が違う。そこも勘案に入れて書いてねってのはあるだろう。


 かといって、スキルがどうとか、ハーレムがどうとか寝取られがどうとか“だけ”ではだめだと思う。そこに何か新しいものがあれば、行けると思う。


 ◆結論

 結論として思うことは、「読者と勝負しろ」と言われていると思う。


「だけどこのトリ野郎! 読専さんは流行りものしか読まないじゃん! 流行りものを書けってことかい!???」と思うかもしれない。


 小説を料理にたとえた場合、『素材』の話ではないんだと思う。ここでいう『素材』=『題材』=『ジャンル』だ。流行りの素材を使えばブーストされるかもしれないけれど、「読者に楽しんでもらうように書く能力」=『料理技術』が不味ければ、伸びない。と思う。肌感覚だけどね。


 Web小説って文章力低いと思うけど? という人がいるかもしれないけど、文章技術と、楽しませる、読ませる構成力や物語構築力は違う。闇雲に文章技術や雰囲気だけ磨いてもダメだよね。物語が進まない雰囲気小説は死ゾ。


 ただただ読んでくれる人間の事を考えて書くことが必要である。と八軒は考える。

 テーマや新規性やジャンルは素材だ。これを生かすも殺すも料理の腕次第である。


 今年も読者さんに寄り添って書いていこうと思う。

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