コンセプトとそれを継続するのは大切だねって話(1)

 えーん、原稿が進まないよぉ(つд⊂)エーン


 昨日までは仕事。今日はお休み。明日からまた仕事だ。

 今日中にいくらか書きたいのに身体が疲れて原稿が進まないよぉ。


 既存作を更新して、カクコン用の新作の書き溜めもしなくちゃいけないのに、予定通りにはいかないものである。


 なので、エッセイでも書いてお茶を濁そうと思う。


 今日はコンセプトの話である。日々カクヨムと格闘戦を繰り広げている我々であるが、実際カクヨムで読まれるというのは稀有な事だ。


 八軒も☆500超えの経験は2回ほどあるものの、4桁には届かない雑魚。


 雑魚も雑魚なりに、どうすれば面白い小説が書けるかを日々思考しているのだけれど、最近ひとつ考えた事がある。



 ◆今さらだからテンプレ論を振りかえる


 前のエッセイで、Web読者のが読む小説は、ある程度~~もの、とか~~っぽさが明確なある種『定型に沿ったもの』が好まれると思うというのをさらっと書いた。


 その事を、すごく荒っぽく言うと「テンプレ」であるし、もう少しマイルドに言うと「話型」である。


 現代人な読者は忙しいし飽きっぽい。基本的にツマラナイ話を読んでいるヒマは無いし、避ける傾向にある。だから最初の数話で面白くないと思えばブラバするし、完全オリジナルの話型を取る素人の非テンプレ作品は手に取りにくい。


 テンプレな話は、読みたいシーンが来るまで我慢して読んでみようかという心理が発生するため、それだけで読まれやすい。テンプレ構造が未来の面白さを担保するから継続されやすいのだ。


 八軒はテンプレには以前ほど否定的ではないが、そればっかりでは面白くないなあと思っている人種である。なので、非テンプレの話どうやったら読んでもらえるかにゃぁ……と日々考えている。


 ◆ダンジョン配信を書いたけれどバズりはしなかった件


 テンプレ強しと言えども、カクヨムでは日々新しいジャンルの小説が生まれているわけである。今はテンプレとなっていても、出始め当初は、新ジャンルである。新しめのテンプレにも挑戦してみるかーと考え、八軒が注目したのは『ダンジョン配信もの』だった。


 これらの作品群のテンプレ要素としては


 ①ダンジョン探索をネット配信して人気者になったりする人がいる世界で

 ②パッとしない主人公がひょんなことで一躍有名になる(今まで隠れていただけですごいコトが出来る事が発覚したり、何かスゴイ力を手に入れたり、誰かを助けたり)

 ③それで世界が一変し、ネット民から称賛を浴び続け、驚かせ続けながら無双する


 面白いポイントとしては、主人公の置かれた境遇が一変するサクセス性と、視聴者であるネット民との掛け合い。それと大事なのは、視聴者への感情移入である。


 この主人公を見守る視聴者への感情移入というのが、ダンジョン配信の要だ。珍獣的な突飛な主人公もこのおかげで受け入れられる。主人公がとんでもないことをし続けるのを視聴者と共に楽しむのだ。


 そんなわけで、八軒も流行りにのってダンジョン配信を書いてみた。


 それがコレ


 https://kakuyomu.jp/works/16817330659136812125

 仕事をぶっちした俺は壊れテンションのまま最下層を目指した。


 こちらの作品は☆658 フォロー1581人と八軒の代表作に躍り出ている。(前代表作は現在公募チャレンジ中につき、公開停止中)


 そこそこ人気が出たのだが、実はこの話、『PV維持率』に問題がある。

 現在15万文字だが、途中でガクンと下がった。


 最初に人気が出たのは、ひとえにタイトル+キャッチコピーがダンジョン配信ものとはっきりとわかり、序盤の展開も爽快感があり、ダンジョン配信ものの要点を押さえ、そこそこ面白かったからだと思う。(実は今のタイトルとは結構違う。『ダンジョン・マイナーズハイ! 最初は、仕事をぶっちした俺は、壊れテンションのまま最下層を目指した』だった。ダンジョンと明言してるところがポイント)


 事実、八軒は最初この話をコテコテのダンジョン配信物として書き始めたのだ。


 とりあえず相棒のAIがいて(ここは単純に八軒の趣味)、スコップでダンジョンの一番下までぶち抜いて視聴者の度肝を抜いて、強いボスを単独でぶっ飛ばす! それで視聴者がすげぇすげぇ言ったらそれで面白かろう! ついでにダンジョンが発生した理由付けを地底世界が浮上してきたからという理由を添えて完成や! そう思っていた。


 コンセプトは

 グレンラガン的な、不条理をぶち抜く、突貫掘削爆破系爽快ダンジョン配信もの


 だった。

 そのために強い敵役が必要になったので、普通のダンジョンモンスターでは役不足だった。もっと強く、絶望的な敵を求めた。そこで、クトゥルフ神話の邪神さんたちを採用した。彼らは強大で恐ろしく、そこそこ知名度がある。


 序盤はとても成功した。一人称での戦闘シーンを思い切り書きたかった欲もありノリノリで書いた。PVも継続率も良くてウハウハだった。


 だが、考えなしにクトゥルフ神話を採用したために、主題が逸れていった。

 クトゥルフ邪神をいっぱい書きたくなってしまったのだ。


 そのため、舞台はダンジョンではなくなり、邪神が跋扈する地底世界に移ったし、物語の焦点は、主人公の過去の戦いで隠された事実の開示に移っていった。


 不気味な描写や、邪神たちとの闘いも緊張感をもって書いていった。

 その為、爽快さは減り不気味さや恐怖描写が存在感を放っていく。


 (まぁクトゥルフ的恐怖や、不気味さを書くのはすっごく、すっごーーーーーく楽しかった。だが、大多数の読者への受けはイマイチであったようだ)


 その後、クトゥルフ神話ファンの読者が流入したり継続してくれている読者さんも多かったのだが、もはやダンジョン配信物ではなくなった本作は、大きくPVを落としたのだ。第一話から序盤は6000PV 最新話は300PV程度だ。


 原因は分かり切っている。

『ダンジョン配信もの』であることを放棄したからだ。



 ◆反省後、見えてきたもの


 カクヨムでのWEB小説ではまず大切なのは、タイトルとキャッチコピーである。人目を引きつけ『面白そう!』と思わせれば、80%ぐらい勝利している。


 面白そうなタイトルの要点は、それを見た読者が『何を想像するか?』だ。

 気の利いたカクヨムの書き手の間では「期待値」とも言われている。タイトル・キャッチコピーで読者に感じさせた『期待』を序盤で『回収』する。


 タイトル・キャッチで作品をクリックした読者の心理は「こんな感じの話かな? それなら読みたいな」である。


 それ通りのものを序盤で提供できれば初動は成功する。


 フォローは爆発的に伸び、☆3桁はイケると思う(マイナージャンルは別)


 だが、その後も、期待を回収し続けなければならない。


 別な事をしだしちゃ駄目なのだ。やるとしても、10万文字書き切って、第二章からにした方がいい。読者はあくまで、タイトル・キャッチコピーで提示されたお話を読みに来ているのだから。


 だがキャッチーさを念頭に置いたタイトルで10万文字を引っ張るのはなかなかに至難の業だ。長編化に耐えうる奥深さを感じるタイトルを考えなくてはならない。そんなタイトルはもはやタイトルではあらず。それ自体がコンセプトなのだと感じた。


 長くなったので分割。次の話に続く。



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