第5話 晩夜



星が雲に隠れ

月が射す光もなく

ひとり思う夜は

静かに


眠りなさい

痛みがあなたを包む前に


全てが過ぎ去った夜に

あなたの優しい思いに抱かれながら


あなたが優しさに

あなた自身の優しさに

今宵包まれれば良い


静かに

そして静かに

眠りなさい


昨日はない

明日の不安もない

あなたの眠りを妨げるものは

無くなった


おやすみなさい

あなた自身の持つ優しさに包まれながら


その優しさを

あなたが包んであげなければならない


夜は始まったばかり

なのだから

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