第9話 三観蔵の追い込み

あたしと群青、それからセオは傍聴席から目をこらす。いよいよ主犯格が勢揃いした。

「亜種白路・天村正造、沖野カナリヤ、KTC・天村君子、天村暁子、SWLカンファレンス・スカーレット、多胡芳実、百舌鳥柄・池宮一矢、Food Hoods DelivaryCEOジェラルド麻野」


亜種白路の天村正造と天村君子のもとに生まれた天村暁子は同じく亜種白路の沖野カナリヤと事実婚関係にあった。多胡芳実は天村君子の元夫であるから、三閉免疫不全として救われた過去がある。彼はスカーレット共にSWLカンファレンスに所属した。百舌鳥柄の池宮一矢は麻野さんに銃口を向けることを提案した主犯格である。ジェラルド麻野は麻野道信の養子であることを利用しFood Hoods Derivaryを展開した。麻野道信は亜種白路から送り届けられたジェラルドというお中元により食あたりを起こし、臓器腐食にまで貶められてしまった。

急性を担当した池宮一矢と慢性を担当したジェラルド麻野。


群青の家を破壊しようとしたKTCと群青の家の法律を壊そうとスパイ行為をしたSWLカンファレンス、セオの家を踏み潰そうとした亜種白路とセオの家にスパイ行為を行った百舌鳥柄。



Jurywknowのスカーニーが憲法を、あたしが民法と刑法と商法を、ConsavaywとLibelawの両家が刑事訴訟法と民事訴訟法としてキャビネットはリメイクされたことにより、Amadeus Juryにおいても分業化が可能になった。

分業後はじめてのAmadeus Juryは主犯格の審理となったことも運命を感じざるを得ない。


「キャビネットがなぜ麻野さんに送られ続けたのか。私はそこに疑問を呈しただけだ。スカーニーさんのご病状のこともあるから、よもや利用されていてはLibelawの家に申し訳がたたないと思ったのです」

あくまでもセオの家との関係性は良好であったと主張する百舌鳥柄と亜種白路上


「1945年以来、Libelaw家と共にあったJurywknow家に従ったまでです。Consavaywの家は入るべきではないことはLibelaw家のお坊ちゃんも了承済みでは?」

セオがぐっと歯を食いしばる。そんなわけないと言いたい気持ちを噛み殺している。こんなふうにこの人は何度自分の人生を我慢してきたのだろうか。


「グレースがどちらを選ぶかはお前たちには関係ないことだ」

アルバートがやんわりと言ってくれた。


「君たちはこの写真を見たことは?」

ゲオルギが朱雀雪芸の1943年の写真を見せた。

8人は目を見開いて冷や汗をかくように目を泳がせ始めた。

「ようやく戻ってきたんだよ。どこにあったか、私のほうから言ったほうがいいかな?」


8人のサリエリ相当処分が決定した。


写真が盗まれたのは2022年1月。写真の所在を突き止めかけた麻野道信に銃口を向けたのは池宮一矢と多胡芳実。

2022年7月奪還成功の直後、池宮と多胡に見つかった麻野道信は言い逃れすることもできず臓器腐食に甘んじたのだ。


三観臓の追い込みと言われる方法がある。自ら敵陣に入る特攻行為だ。

ちなみに翠蘭さんは麻野道信の実の妹であるから、央観家の正当な後継者でもある。

衣子さんの亡き後、スカーニーと恋に落ちることは必然だったのかもしれない。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る