『殺人志願』(1980年/傑作推理劇場)


監督 渡辺祐介

脚本 宮川一郎

原作 西村京太郎

出演 山本圭、谷啓、木内みどり、松本ちえこ



 刑務所に入りたがっている男の計画に巻き込まれてしまった警官、柴田。念願叶って男は刑務所に入るが、柴田のもとにはムショ入り志願者が次々に現れ……。


 今回は2時間サスペンスならぬ、1時間サスペンス。どこか不条理劇のようなテイストもあり、その原作が西村京太郎というのは意外。

 谷啓の軽快な語りからスタートし、全体的にコメディタッチだが、その分サスペンスフルな描写が際立ち、特にクライマックスはサスペンス方向へ一気に振り切る転調ぶりが衝撃的。スローモーションの使い方も効いており、人はああいう状況に陥った時、スローに感じるくらい時間感覚が歪むものなのかもしれない。


 末路をあえて見せないエンディングが観終わった後も尾を引く。




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