『みちのくハネムーン殺人事件』(1987年/水曜ドラマスペシャル)


監督 井上芳夫

脚本 安本莞二

出演 柏原芳恵、石立鉄男、下川辰平



 刑事の一平とデパガの新子は20歳年齢としの離れた新婚カップル。披露宴の最中、新子は殺人事件に巻き込まれるが、捜査は一平の同僚に任せ、ハネムーンツアーに出発。参加者の中に犯人がいるのでは? と疑う新子だったが、参加したカップルはワケあり夫婦ばかりで……。


 テンポの良いコメディタッチのミステリー。柏原芳恵と石立鉄男が初夜を迎えようとするたびに邪魔が入るテンドンと石立の上司、下川辰平の渋さを封印したハイテンションな演技が笑える。

 柏原のアイドルドラマ要素も強く、彼女のモノローグで物語が進行し、持ち歌の「ハロー・グッバイ」をカラオケで歌うシーンまであるサービスっぷり。


 クライマックスでは柏原VS犯人の迫力あるチェイスが展開。足場の悪い場所で取っ組み合いになり、ハラハラしていたら、ふたりとも急斜面を物凄い勢いで転げ落ちるのでびっくり。

 柏原はさすがにスタントダブルだと思うが、犯人のほうは役者本人がワンカットで後ろから転げ落ちていくのでこれまたびっくり。しかも、バク転状態なので、ヘタしたら首をやる可能性もあるだけに、よく本人がやったなあと感心。

 この犯人、ここ以外にもやたらと体を張るシーンが多く、高所から飛び降りるわ、奥入瀬渓流に飛び込むわ、ネタバレになるので名前が書けないのが残念だ。


 タイトルだけ見るとベタなトラベル・ミステリーだが、キュートな柏原、ハイテンション下川、体張りすぎ犯人と見どころ満載で楽しめる作品でした。




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