『松本清張の時間の習俗』(1982年/ザ・サスペンス)


監督 富本壮吉

脚本 岡本克己

原作 松本清張

出演 萩原健一、藤真利子、井川比佐志、中谷一郎



 サブタイトルを含んだタイトルは『松本清張の時間の習俗 浜名湖-九州 鉄壁のアリバイ崩し』。


 浜名湖で起こった殺人事件。容疑者には完璧なアリバイがあり、事件を担当する刑事はそのアリバイ崩しに挑む。


 主人公VS犯人の頭脳戦、トリックの面白さなど、ミステリーとしても、刑事ドラマとしても楽しめるが、後者に関しては主人公を演じる萩原健一の好演によるところが大きい。感情を抑えつつ、それでも抑えきれずに滲み出てくる発露とその表現が面白く、キャラクターに深みを与えている。

 そんなショーケンを得たことで、演出もノっているように見え、物凄い望遠で名所と演者を収めたロングショットは印象的。犯人のトリックを台詞で処理し、その回想をエンドクレジットで見せる構成も驚いた。おそらくテンポを優先した結果だと思うが、その目論見通り、スピード感のある展開を見せてくれる。


 また、音楽が異様にカッコ良いので「誰だろう?」と思ったら、なんとショーケンと彼が当時組んでいたドンジュアン・ロックンロールバンドでびっくり! これ、レコードとか出なかったんですかね?



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