第235話 うつらない帰る場所
まあ、どちらがより美形ですか?と、問われるとファン以外は答えが決まってそうだが。好き嫌いは別として。
若い頃の顔立ちは美形と言える顔立ちだろう。整っている。細過ぎて折れそうな体躯に反して、強烈な意志の力を感じる。この方を女性的とは間違っても思えない。
どうやってもこの2人のセット売りは厳しい。
見た目と中身が逆なら、まだわかる。ただし、別の意味で悲劇的序曲が流れる。セシルがゴルベーザな見た目なら、まだわかる。いや、その場合はヴィジュアル系バンドにならない。
おそらく当時の世相から耽美主義的な売り方は新しいやり方だったのだろう。他のお2人より確かにその人は目立つのだから。身長的に。
画像だけ年代別に確認すると、ある時を境に急速に老けて行った感じがする。撮り方か、メイクか。
最晩年というのか、活動休止前にインタビューに答える形で残っている雑誌はあるようだ。あとはドキュメンタリー映像。強烈なバイアスがかかってそうでまだ見ていない。
彼の活動を分けると、バンド前、バンド時代とソロになってからのヒットから移住直前、移住後、活動最期、だろうか。
19歳でテレビデビュー。しかし、若くしてスターになった割には本人そのものに関するマスターデータが少ない。
また、バンドが売れ始めるまでの20歳から24歳までの本人が書き記した台詞があまりにない。いくらプロモーションなどのバイアスが掛かるとしても1番本人に近いだろうに、それがない。
他のバンドのメンバーや元マネージャーは、本を書いている。確認した限り、ご本人が記述したものは見当たらない。代わりにご本人が撮影した写真集がある。
被写体ではなく、ご本人が選んだ「ポートレート」。どれがどこまで本当か、は真偽不明。大体、他者からみたらバイアスがかかり過ぎる。相変わらず、見えない。
もうこれ以上、傷つきたくないと願いながら、茨だとわかっていても、inventionをただ、求めてる。
Auffrichtige Anleitung
それはinnovationを求めてやまず、そして敗れた俺に、彼の「生き様」はあたかも手引き書のような、蠱惑的なモノに感じられた。
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