第6話、天使似の悪魔ほど、人を迷わすものはない

さて今宵、何故かwaltzは始まり、望まぬまま、機械人形は一人踊り始める。


俺には趣味がない。

強いて趣味を問われれば「仕事」か「勉強」である。


残念ながらのび太くんとは永遠に分かり合えないタイプの人間だとは、自覚している。


ワーカーホリックとは思いたくないが、仕事をしている時間が1番俺らしいと自分で思う。

だから強いて言えば、趣味は「仕事」だと思う。


ただ、仕事しかしてこなかった「ツケ」なのか。

最近のエンタメ系な有名人なんてのは全くわからない。

公開された特許件数とか、技報関連の有名人なら流石にわかる。


まあ、昔の有名人を聞かれてもわからないんだが。


逆に俺が知っていれば、ハイパーな有名人だと証明できる。

ちょっと虚しい。


最近、俺の誕生日プレゼントにアイドルと言えるのか、謎な年齢のアイドルな方のCDを職場の後輩がくれた(布教活動)ぐらいだ。


他の後輩がお勧めするNHKだかNKBだかのガールズグループの誰それ言われても、ぶっちゃけ全員同じ顔にしか見えない。危うく認知症かと悩んだ。NHKといわれても日本発条しか、咄嗟に出てこない。


あとはニュースか。

そういやニュースで大人気YouTuberさんが1000万円寄付しました!ってあったな。


世の中の金持ちってすげーぐらいは思ったが、YouTubeも見ないので率直に凄さがわからない。きっとたぶん有名人なんだろう。それぐらいだ。


そんな芸能というのか、この手のエンタメとかサブカルチャーにはさっぱり縁がない為、本件のおそらくインフルエンサー様とやらも、さっぱりわかる訳がない。


ではなかった。


「アイコン」が影になっていて、よく見えないが、おそらくご本人様を遠い昔に街頭テレビとか、母が見ていたテレビに映っていたのを見たことがあった気がする。


そう、幸いなことと言えばいいのか。確かにそのアカウントが本当に本人かは知らんが、俺は確かに「彼」を知っていた。そして遠い昔に街頭などで流れている「彼ら」の歌を聴いたことがあった。


今や干支が一回りは確実に回っている、俺が新卒の頃。そんな遠い昔。


カラオケで上司が歌う定番ソングが「彼ら」の歌だった。カラオケの定番曲ってやつだ。


「遠い世界」とか通り越して、現実世界な気がしない。ハローキティとかふなっしーの方がまだ、いる気がする。


街中でたまたま音楽が流れるのを聴くぐらいだったが、これだけ世俗に疎い俺でも確かに聴いたことはあったんだ。


本当に、意味がわからない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る