第5話、期待はあらゆる苦悩のもと

-ナイトメアがこっちを見て、哄笑している。

あの「怪物」の従者に相応しい、赤いルージュ-


嫌な予感しかしない。だが仕方ない。

仕事終わりの疲れた脳みそで確認を続ける。


名前さえ見てなかった。匿名性の高い空間で一意な記号など危険極まりないから使わない。

だから気にしていなかった。


いやさ、師事している教授。

確かにそれなりな偏差値の大学の教授だけど、そんなんになるわけがない。


どんな数やねん。というかフォロワー数やばくね?

いわゆるインフルエンサー様ってやつだと思った。


あーこれ、ややこしいやつだ。うわー。地雷踏んだ。


大体、俺はテレビを持っていない。

うるさいだけだから。オールドメディア系は嫌いである。


ジャーナリズムはさらに嫌いだ。虚実混ぜて言葉で相手の思考を誘導しようとする奴等は、総じて大嫌いだ。


「真実」など「誰か」にとって都合よく書き換えられる。


俺は音楽とかも好きじゃない。歌で世界が救われるなんていうなら、ソマリアでもウクライナでも最前線で歌ってこいよって思ってる。集中力を妨げる雑音。


例外的に本は読むがそれぐらいで、あとは自分の目で「見たこと、聞いたこと、調べたこと」を自分なりに解釈する、またはしたことしか信じていない。


て、ことでいわゆるエンタメ系有名人なんてもんには全く縁がない。技術系有名人なら会いたいが。故人ではあるが「大野耐一」様と「本田宗一郎」様に会えるなら会いたい。


普通に考えれば、有名人ならマネージャーとかいて当たり障りのないセリフ吐くだろうから、有名人本人だって可能性なんてない。


単に我々一般人がみたい「夢」を見せているだけである。

実にくだらない。


これが喜劇の始まり。俺からすると「初春の春の夢」

全く本人の意思なく始まった円舞曲ワルツの始まり。

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