第6話

 俺は驚いた。その内容もそうだが、それよりも、こんなに簡単に本音に気づくことが出来たことに、驚いた。今までの俺が、散々考えて、一度そうだと納得しては、そうではないと否定して。そうしていたものと、全く違った。これは本当にそうなのだと、感じた。それにしても、

「一人か、愛する人と二人で、ですか。」

 [はい。意外だと思いましたか?あなたの人生に、誰かがいることを。]

 そう、そこなのだ。俺は、現在高一で、公立高校に通っている。しかし、入学してからというもの、殆どの時間を一人で過ごしていた。友達がいなかった訳では無い。ただ、一人がよかったのだ。中学までは、ある程度の交友関係は作っていた。しかし、嫌になってしまったのだ。大切でも無い人と過ごすことが。

「ええ。ですが、それほどでもないです。」

 [そうなのですね。まぁ別人格とはいえ私とあなたは同一人物ですし、分かっていましたが。]

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