第2話 疑問と確認
上崎と別れて数日後に分かった事なのだが、上崎は俺が居たから男性と話せただけで、俺と別れてからはまた、男性恐怖症になってしまっていたらしい。
例えば今日の昼休み、上崎は雪音や新城と一緒に居て、話していたのだが、突然話しかけたクラスメイトの男子を見ただけで、口を抑えトイレに走って行ってしまったりとか、授業中に男性の教師に当てられただけで、吐いてしまったりとかして、それから上崎は早退したらしい。
と言うのを、「俺」は放課後の今、屋上で『雪音』と〔新城〕に聞いている。
「で、それを俺に行って何になんの?」
『静音を、助けてあげて欲しいの』
と言って、頭を下げてくる。
いつもはふわふわしてるくせに、こう言う時は真剣になるのクソうざく感じる。
〔しずりん、を助けて下さい〕
と言って、新城も頭を下げてくる。
いつもはギャルって感じなのに、こいつもクソうざすぎる。
俺は、語気を強めながら喋る。
「おい、雪音、新城、俺はな、てめぇらの罰ゲームに、2年も付き合ったんだぞ?」
『最初は、遊びのつもりだった・・・』
「は?遊び?」
俺は、そこで雪音の胸ぐらを掴んで持ち上げていた。
「嘘コクは、楽しかったか?人の心を弄んで楽しかったか?どうせ毎日毎日、ジミー雪白って呼んで、バカにしてたんだろ?」
そこで、俺は頭に血が上り、雪音をグーで殴りそうな所を新城に止められた。
〔雪白君、ごめんなさい、私たちがお願いするのは間違ってると思う、だけどしずりんを助けられるのは雪白君しかいないの〕
そこで、土下座をしてくる新城。
『私たちでも、無理だった、だからお願いします、雪白君』
雪音も、土下座をしてくる。
チッ、と心の中で舌打ちをする。
あぁ、どうすっかな、あいつには嘘コクされた恨みで付き合って、体の関係まで持ったし、怪我の時に助けられたんだよな、元々はあいつを庇って怪我したんだけど、てかクレープ屋の車ってなんでこっちに突っ込んで来たんだ?
一旦それはいいや、どうすっかな?
まぁ、上崎の態度次第な所あるよな。
てか、疑問がいくつもあるんだよな、1つ目、轢かれた俺に、涙目で寄って来た事、2つ目、1つ目に似てるが、病院で目覚めた時の上崎の心配の言葉、あの時は嘘コクだからと理由で、無視したんだよな、3つ目、退院後のお世話を上崎がした事、4つ目、世話の時に関係を迫った事、5つ目、俺と関係を求めた事、6つ目、別れを切り出した時に泣いた事、7つ目、やたら写真を撮りたがった事、8つ目、男性恐怖症の再発だ。
クソ、気になる事が多過ぎる、聞くついでに助けるか。
まだ、土下座している、雪音と新城に話しかける。
「おい、今日は帰れ」
『で、でも』
「さっさと帰れ」
そう言うと、雪音と新城はとぼとぼと帰って行った。
それから、俺はスマホを出し[上崎]にルイン通話を掛けた。
すると、ワンコールもしない内に電話が繋がった。
[もしもし・・・]
「あぁ、上崎か、俺だ」
[どうしたの、颯太さ、いや雪白君の方がいいよね・・・]
「好きな方で呼べ」
[ありがとうございます・・・そしてごめんなさい]
「何がだ?」
[嘘コクを、してしまった事です]
「その嘘コクで、聞きたい事がある」
[なんでしょうか?]
「なんで上崎は、振られた時に泣いた?」
[そ、それは・・・]
「答えろ」
[好きだった、からです・・・]
「いつから?」
[付き合って、1週間後ぐらいから・・・]
これで、疑問の2つ目と6つ目は解けた。
「上崎、お前は、嘘コクに付いて悪いと思ってるのか?」
[思ってます、すいませんでした]
それが聞けて、良かったかな。
「今から上崎の家に行く、待ってろ」
[え、来て下さるのですか?]
「来て欲しくないのか?なら行かないが」
[いえ、嘘コクで傷付けてしまった私が悪いので・・・来て下さらないのかと思い]
「まぁ、雪音と新城に、土下座して頼まれたし」
[2人とも・・・]
そこで、泣いてしまった上崎。
俺は通話を切り、教室に向かいバックも持ち、上崎の家に向かった。
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あとがき
初コメ、ありがとうごさいます
前回貰ったコメントが自分の投稿している作品全ての中で初めてなのでめっちゃ嬉しいです
これからも頑張って行くので気長に待って欲しいです
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