第18話 二十四時間耐えた勇者
はい、続くよー。
翌朝、喉がカピカピのまま朝食が運ばれてくるわけです。
待てよ、うがいさせろよ。カピカピだよ。しかも起き上がれないよ。おお、そんなときのためのパラマウントベッド。ベッドが私の上半身を起こしてくれるではないか(しかしベッドのリモコンまであと数センチが届かない)。
だが、ベッドはうがいはさせてくれない。
朝食には牛乳がついていたんです。でもその前にお茶飲みたいよ。さらにその前にうがいだよ!
だけどね、カピカピだから「お茶持って来て下さい」ってお願いできないの! 筆談しようにも「そこの筆記用具とってください」って言えないの!
結局、朝食はそのまま置きっぱなしで、十時くらいに看護師さんが「そろそろ起きてみますか? 動けそうなら一般病棟に移りましょう」って声をかけに来てくれたんです。
その時に朝食を横にどけて、点滴全部外して導尿も外して身軽になったところで「朝食まだだったんですね、食べてから移動しましょうか」というんで、やっと身軽になった私は必死にうがいのジェスチャー(ただし上を向くと傷口が痛い)をしたんですよ。
ああ、二十四時間耐えたよ、私は!
看護師さん、すぐにわかってくれて、洗面台にゆっくり連れてってくれたんです。もう天使でしたね。ありがとう看護師さん。あんただけだ、気づいてくれたの。
文字通り十分くらい延々とうがいして(それでもなんか乾燥してて喉が変)やっとベッドに戻って朝食食べました。バナナと牛乳は一般病棟に引っ越す時に持って行っておやつにしたらいいですよ、って運んでくれたの嬉しすぎ。
先生! バナナはおやつに入ったよ!
だが、動けるようになったら動けるようになったで、いろいろあるのです。
続く(まだ続くんかい)
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