第22話アオイと真菜との学校七不思議探検 後編

前回の話———私たちはきららさんに会うついでに、学校の七不思議を調べることになった。


三つとものうわさになった場所を一通り見たが、ホントに出てきて驚き、走って逃げるの繰り返しばかり。

けど、まだ終わっていない————。私は黙々と歩いていた。


私たちが来たのは女子トイレ——。中でも三番目の個室トイレは———。夕方、トイレに駆け込んで行くと「赤い紙がいいか。青い紙がいいか。」と謎の声が発しられた。


赤い紙というと—。上からマントみたいなものをかぶせられ、ズタズタに切り刻まれて血まみれに死んでしまい。


青い紙と言うと、ドアが開き、何かが手を出して首を捕まえて窒息して死んでしまうらしい。


私は今までに出くわした幽霊たちを思い出して嫌なこと思ってしまった。

「この様子だと、私たち殺されるんじゃないか。」

「そ、そうね。‥…私もいくら探りに行って、殺されのはごめんだよね。」

「このまま図書室に行ったほうがいいんじゃないか。」

「いや、あとの七不思議は死にはしないんだし。ここまま行きましょう。」

目をキラキラしている真菜はまだ七不思議の謎を調べたいらしい。


私はため息して、真菜と一緒に次のうわさに行ったのだ。


屋上の十三階段————。

真夜中に屋上を一段ずつ上がっていくと、一段多く、十三段まで登りきると異世界に飛ばされる。


「今、聞くとなかなかいい話だな——。」

「けど———。その異世界のどこに飛ばされるか分からないから、やだなー。」

「なんで。」

「アオイと一緒になれないかなー。」

真菜は私の顔を見て言った。私は赤面した。


「んじゃ、行くぞ!」

一段ずづ歩いて行った。

「1、2、3、4‥‥」

続いて歩いた。

「10、11、12!」

私は段を登り終わった。

「真菜は…。何段だった。」

「14段…。」

ン?…。2段多い。

真菜は私に向かって行った。

「もう一度登ろうー。」

私はたちに振って、階段を降りた。そしてもう一度登り始めたのだ。

「1、2、3、4‥‥」

一段一段登り続けて———。

「10、11。」

私は11段だった。なんか一段減っていたのだ。

「真菜は———。」

私は向いて言った。

「11段」

私と同じかよ。

「も、もう一度登って行こう。」

そ、そうだね。と真菜はうなづいた。


何度も登って行った結果。

「12!」  「11!」

「14!」  「12!」

「11!」  「14!」


なかなか13段にならなく。しまいには。

「10!」  「10!」

「12!」  「12!」


慣れてしまったのか———。ほとんど同じ段になってしまい。13から遠くなってしまった。

だんだん日が暮れてしまって、ここまでは、他の七不思議どころか、きららさんに合わなくなってしまうので私は真菜に振り向いた。


「もう次に行こう。ここは諦めて。」

「そうね。」

真菜は承諾して次に向かうことにした。


「しかし、14段になるのに13段にならないのは不思議だねー。」

真菜はのんきに言うと、私はふと思い出して言った。

「もしかして——。もしかしてこれが、七不思議の一つじゃないか。」

私たちは13段にしないために、誰かが動かされていたのか。


「そう考えると、そうよね。アオイ!いい推理だよ。ほめてやる!」

ほめられるほどでもねーだろ。と私は突っ込んだ。13段にならないために段を増やしたり減らしたりとは、なんか地味だな。と私は顎をさすった。


次に向かったのは、体育館——。

ここは夜中————でもないが、ある少女がボールを持って遊びに走ってる姿を見かけたり、体育の授業の終りに片づけをしていると、笑い声がしていたり、部活動終わりにカギをしめた時にボールの音がするという。


「この七不思議は最近できたらしい。」

「最近か——。なんか違和感あるな。」


私たちは体育館へ向かった。バスケットコードが四つあり、広さはたぶん教室二十個分の広さだ。

まだバスケ部やバド部がいて、賑わっていた。


「ここら辺にいるのかな、ひとがにぎわっていて、とても幽霊が出てくるところじゃないけど。」

真菜が言うと、私はまだ違和感がぬぐえなく、に向かって歩き出した。

どうしたのっと真菜が言ったが、くれば分かると私は言い返した。


私は校舎裏の倉庫に来て、真菜にカギを開けるように言ったのだ。

この違和感が本当だったら———。たぶん正体はあいつだろう。

「おい、出て来い、お前だろ!体育館の幽霊って。」

私が言った。真菜は訳も分からず私向いて言ってきた。


「ちょ、ちょっとアオイ、どうしたの、ここに何かあるの。」

「出て来い————。あっそうだ今日はクッキー焼こうと思っているから出て来いよ。」

「本当なのだ!だったらさっさと帰って食べたいのだ。」


少女が私の手を引いてはしろうとしてそこを私を止めていた。

「なんで、この子が七不思議のひとつだと分かっていたの。」

「はぁ、話を聞くに、この七不思議、最近できたって言ったでしょ。」

「そうだよ。」

「それで夕方や夜中に現れて、バスケやバドで遊んでいる。こいつもどっかに行っても遊ぶことしか考えていないし———。姉ちゃんと会ったのは去年の秋くらいだから、七不思議になったのも辻妻が合うってことだよ。」


真菜がびっくりした顔で言ってきた。

「やっぱ、アオイ、探偵に向いているんじゃい。だったら今日からアオイのこと名探偵アオイと言って行こうと思うわ。」

言わないでほしい。恥ずかしいから。っと私は真菜の肩を手に置いて言った。


「早く、帰ってクッキーを食べたいのだ。」

「分かった。とりあえず、図書室に向かってから帰るからいいか。」

私たちはそのまま図書室に向かったのだ。


「こんにちは、きららさん。」

「ん。あなたは、美希の妹———。」

図書室に本を読んでいるきららさんが私たちを見てしゃべった。

少女は私の裾を引っ張りながら早く帰ろうっと連呼していた。


「今日はやけに騒がしいと思っていたら、あなたたちの仕業ですね。」

「ハァ?」

「私たちは意思疎通して聞いていたからあなたたちの行動が全て見えていたんですよ。」

「め、迷惑だったでしょうか。」


真菜はちょっとびくびくして言った。

「いや、あの人たちは、人にびっくりして歓迎するのが大好きだから、むしろありがたいことですよ。最近はほとんど驚かなくなったから気合入っていたんでしょう。」

そういうことは私たちは幽霊たちにとってはいい驚き役だとしって肩を落とした。


「あ、初めまして、私は秋山真菜です。ここにいる川村アオイさんの友達で———。」


「知っている、アオイさんがビビっているのに看病してここまでやってくのはさぞ大変だよね。」

「わ、私はビビっていない!‥‥。少し気が抜いたら、トイレ行きたくなった。行ってくる。」

私はムッとなって反論して、トイレに向かったのだ。


四階のトイレは図書室から遠く、端っこで日当たりが悪く少し暗い。

私は用を足して三番目の個室トイレを出ようとした時、コンコンっとノックをする音がしたのだ。


私は一度固まって、深呼吸をした———。真菜の仕業でしょう。


コンコン、コンコン、コンコン。


だが、ノックは鳴りやまず、私は我慢の限界に叫んだのだ。


「真菜!いたずらにもほどがあるだろー。もうそんなことしても怖がらないからね。」


すると、ノックが鳴りやんだのだ。———ほれみろ。

私はドアを開けた。誰もいない。

ちょっと嫌な汗が出てきたが、もう外に出て行ったんだろうっと思って私は洗面台まで来て手を洗った。ふと鏡を見た時———。


後ろに誰か立っていたのだ。髪の長く、色白な顔をした。赤い服の女性が立っていたのだ。年は二十代の女性だった。

その女性は無表情で鏡の反射している私をギロっと見ていた。

話しかけてはダメな奴だ。私はそう思った。確かに今までの幽霊たちの怖さよりかははるかに恐怖感が違った。

私は女性がいる逆方向に振り向いて入り口ドアまで来て開けた。その時———。


後ろから気配を感じた。

「またどこかで———。」

今度は青い服の女性が耳元で微笑んだのだ。


顔や体形は赤い女性と一緒だ。もしかしてこいつらも七不思議のひとつの「赤い紙、青い紙。」———私はそう確信して。トイレから出て、走って図書室に向かったのだ。


私は図書室についてことの状況を話した。

きららさんはため息を吐いて、話した。


「確かにこの二人は私の仲間です。———あまり出てくることもなく、しまいにはどこかに旅に行って一か月帰ってこないのはちらほらです。」


きららさんは廊下を振り向いて話し続けた。

「まぁ、七不思議では死ぬことになっているが、あの二人も他の幽霊たちと一緒に歓迎しているからまぁ、運がいいと思っておいた方がいいよ。」


運がいいって私は肩を落として、落ち込んだ。———今までで一番怖かったんだけどよ。

唐突に真菜は言ってきた。

「さっき話したんだけどきららさんと一緒にアオイの家に向かおっと思っていたのいいでしょ。」


勝手に決めないでー。私が言ったが。まぁ、明日は休みだし、少女もうるさいし、いいかっと私たちはきららさんと一緒に家に帰ったのだ。

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