第14話 星野きららさんと山口さらさん
そう言うことで、私たち二人、家に向かったのだ。
幽霊なのに、普通に歩いていて生きてる人とかと同じに見える。
まぁ、さらさんも普通に歩いているから、物体としてあったんだろう。
電車通学なので駅に入った。
「あのーすみません。私、電車の乗り方知らないですけど。」
「はっ。今まで学校から出てこなかったんですか。」
「一応、地縛霊ですから、学校以外で出ることなかったし、後、私インドア派だから。」
きららさんは無表情に語った。————分かるなー。と私は共感した。
「んじゃ、私は教えるわ。まず、あそこにある切符売り場に向かおう。」
私たちは切符売り場に向かって行った。
「さららさん、お金って持っているの。」
「持っているわ。欲しい本がある時にためていたんです。」
きららさんは言うと、ブレザーの胸ポケットから長財布を出したのだ。
さらさんと言い、幽霊ってどっから金稼いでいるのかちょっと謎だった。
切符の買い方を教えてもらって私たちは改札に向かったのだ。
閉じられると思ったが、彼女は飲みこみが早く、普通に通り向けて入って行った。
ふと私は思い出した。
「あれ、今思いついたんだけど、別に幽霊だから切符買わなくっても電車に乗れるんじゃない。」
あっ。ときららさんが急に思い出したかのように
「そういえばそうね。まぁいいか、いい経験になったから。」
きららさんは微笑みながら言ったのだ。
※
きららさんは電車に乗っている時は、座席に座らずに立っていた。私は座った方が疲れ取れるよっと言ったが、幽霊は疲れないからいいよと断っていった。
確かにさらさんもあの子も疲れてるところ見たことないしな。と思って言ったら、ちょっと混みあってすし詰め状態になってきたのだ。座っているとはいえ、ちょっと息苦しい。
きららさんは————微動だにせずに本を読んでいた。
この状況で物語の世界に入れるとは恐ろしいや。
※
ようやく私の家に着いた。きららさんは茫然と見ていた。
「ここが、少女の幽霊が出る屋敷ですね。」
私の家を廃墟みたいに言うなよ。私はドアを開けた。
何やら、とてつもなく、いやな雰囲気を
そういえば、アオイが受験シーズンでピリピリしていたんだ。
一つ音を出したら切れるに決まっている。
「あの、きららさん、私の妹がピリピリしているから静かにしてね。」
「妹さんね。他の幽霊さんから非常にモテまくって、私の友達にもファンがいっぱいいると言っていました。トゲがあるが、優しさが少しばかりあって、それがギャップが素敵とか言っていた。私は見ていないから分からないが。」
アオイも知っているのか。私は驚いた。
「わ、私の部屋は散らかっているから、リビングでいいかな。後で、少女とさらさん呼んでくるから。」
言う直後、いきなり二階に上がってしまった。
「あ、ちょっと。」
私は止めに入ったが、間に合わずにきららさんが勝手にアオイの部屋のドアを開けた。
部屋の中には、今にも雷が落ちそうな、仏頂面したアオイが睨みつけていた。
「‥誰!」
そりゃーそうだ。
きららさんとアオイは初対面だ。だがきららさんは微動だにせず探し始めた。
「どこにいるんですか。少女と女子高生!」
「おい、何しているんだ!」
アオイが立ち上がって、きららさんに向かって言ってきた。
今度はベットの下のほうを覗き始めた。
「私は,そこにいる美希が、少女たちがいると思って、割って見たくなったんですよ。けど見つからないわ。」
「そう言うのは姉ちゃんの部屋でやってよ。」
私の部屋でもごめんだ。
「いえ、ここにいるのは確かなんですけど。」
今度は机の下を見たのであった。
「ここにいるわけないでしょ。」
アオイが言った。その時
「美希さんこんにちは、遊びに来ました」
窓からさらさんが開けてあいさつしたのだ。
この下、屋根ないんだけど、まぁ、幽霊だし、いいか。
※
さらさんが窓から部屋に入って言った。
「‥…このメガネが、誰ですか。」
さらさんはきららさんを見て言ってきた。
なんだか睨まれたような感じがした。
「あ、さらさん、この人は、星野きららさん、図書室で偶然出くわして————」
「偶然じゃないよ、前に一回会いましたんだから。」
「前に‥‥っ」
さらさんは何やら口をかみしめて、言った。何やら雲行きが怪しい。
「ちょっと美希さん! ‥‥何ですか。、他の女を家に連れているんですか。」
「いや…別に私に会いたいってー。」
「そうですよ。君の場合はここにいる美希さんにストーカーのように頻繁に出会っているらしいと、他の幽霊とか言っていたので来ましたんですよ。」
「えっ、ストーカー。」
私はゾッとした。
「こんなのにストーカーする価値なんてあるのかよ。」
「し、失礼な、あるに決まっていますのよ。特別な力が宿っているんだから。」
さらさんが珍しく強気になって言ってきた。
さらさんは怒りをあらわになって。
「なので、美希をストーカーするのは恥かしくないのですよ。」
いや、おかしいよ。
「ここまで、言うこと聞かないのでしたら戦うしかありませんね。」
「いいわよ。」
さらさんときららさんはパチパチとにらみ合っていた。
「幽霊が戦うと言うと、念能力とか、霊力とかで戦うの。」
「そういうマンガみたいのは無理だから、ホットケーキをうまく作れるかで勝負しましょう。」
「なんでホットケーキなの?」
「「私たちが食べたいからです!」」
幽霊って食いしん坊なのかよ———
こうして、さらさんときららさんのホットケーキ勝負が始まったのであった。
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