第18話:謎、謎、また謎

謎の和室に突如として現れた、これまた謎のコミュ障陰キャ引きこもり女――もとい、インドアな雰囲気の女性。

いわく、自分は女神様なのだという。

だがしかし、オレはすでに一回

この人の言うことはどこまでが真実なのだろうか。

「あぅ。うたがわれてる……」

「え? やべ、顔に出てましたか?」

オレが聞くと、女神様(?)はフルフルと首を左右に振った。

「じゃ、じゃなくて……心を読んだ、っていうか」

「……マジですか」

「か、神としての基本スキル……ふへ」

にへらっと笑う女神様(?)。

読心術ね……確かに神っぽい。

そういえば最初に会った女神様もオレの心を読んでた気がしたな……いや、どうだったっけ?

「し、信じてくれた?」

「いや、うーん……」

いきなり女神って言われてもなぁ。

最初に会った女神様は見た目がそれっぽかったから、わりとすぐに信じられたけど……この人からは女神的オーラをまったく感じない。

「い、意外とうたがりぶかい……」

うっ、目がウルウルしてる。ちょっとメンタル弱すぎない?

「すみません。でもなんていうか、オレ別の女神様に会ってるんですよね」

「知ってる……」

へ? そうなの?

「どういうことですか?」

「あぅぅ……」

「いや、あぅぅじゃなくて」

「み、み……」

「み?」

「……みぃ」

猫かよ。

くそ、この人コミュ障すぎるぞ。

なんか色々知ってそうなのに、全然話を聞き出せない。


どうしたもんかと思っていると、女神様(?)はおもむろに話し始めた。

「……み、見てた、から」

「見てた? 見てたって、何を」

「エ、エウロペが……あなたに接触する、ところ……」

「エウロペ?」

オレは聞き返したが、女神様(?)は何も答えない。

「エウロペって……ひょっとして最初に会った女の人のこと?」

コクコクと頷く。

「二人は知り合い?」

またコクッと頷いた。

「つまり、二人とも女神様?」

だが、これにはフルフルと否定の首振り。

質問ゲームをやってる気分になってきた……しかし、根気よく尋ね続けるしかない。

「えーっと、あなたは自分が女神様だって言ってましたよね。つまり、あなたは女神様だけど、そのエウロペって人は女神様じゃないってことですか?」

「!」

おおっ、ブンブンと首を縦に振ったぞ!

「じゃあ、あなたがオレを転生させたんですね!」

「あぅぅ……」

首を横に振られた。なんなんだよ!!

オレが途方に暮れかけていると……


ガタン!!


「!」

「ん?」

また、ふすまが揺れたな。

今度は女神様が出てきたところの反対側だ。

「なんですか、今の」

一応女神様(?)に尋ねてみたが、返答はない。

駄目だこりゃ。らちが明かないぜ。

こうなったら自分で確かめるしかない。

オレは女神様(?)に背を向け――

「あ、あぅ。だめ……」

一気に戸を開けた。

するとそこには……


「ム、ムー! ムー!!」


なんと、“腐れ子息”のネロ・D・アークがそこにいた。

しかもガムテープで口を塞がれ、ロープにグルグル巻きにされた状態で。

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