第2話 衝撃

ある日、休憩に入った七海はいつも通り喫煙室へ。

ドア開けると目に飛び込んできたのは、先日挨拶に来たあのスタッフ(タツ)だった。


(げっ!!・・絶対話しかけられたくない・・)

そう思った七海は気付かないふりをし、しれっと端の席に座った。


タツ「おつかれっす~!!!」

(ぎゃああああ見つかったぁ泣)

七海「・・っあ。お疲れ様です・・」

タツ「ここいいっすかぁ??」

七海「あ、、どうぞ。」

(あー最悪だ。終わった。。)

話す話題といえば共通のショップの売上位しかないだろう。残りの時間どーすんだと心の中でため息をついた。

当たり障りのない年齢の話でも、と思い聞いてみると

・・・なんと同い年だった。

絶対に年上だと思って壁を作っていた七海は同い年と知って少し気が楽になった。

タツは大学へ通いながらこのバイトをしていた。

七海は基本早番、タツは遅番だからあまり会うことも少ないということも話した。

同い年となると、地元がどこなのか、高校はどこだったのか、など会話の幅が広がった。

七海「〇〇高校でした。1年で辞めましたけど(笑)」

タツ「・・え!!俺の親戚も○○高校でしたよ!!」

七海が1年で辞めた高校は1学年1000人近く生徒がいるマンモス校だった。

さすがに1年しかいなかったし、連絡とってる高校の男友達なんて数人しかいないし知ってるわけないだろうと思いつつも会話の流れとして聞いてみた。


タツ「橋本陽太っていうんですけど・・」

七海「・・・・・えええええええええ!!?!」


めちゃくちゃ大きい声が出た(笑)

なんと「連絡とってる高校の男友達なんて数人しかいない」中でも1番の仲良しな友達だった。


七海「陽太くんめっちゃ仲良いです!!えええびっくり!!!」

急にテンションが変わった様子にタツもびっくりしていた(笑)


意外と話が盛り上がったところで、タツの休憩時間が先に終わり、タツは戻っていった。

こんな偶然もあるもんなんだなぁと思いながらたばこを吸い、七海も仕事へ戻った。


相変わらず仕事は退屈で、ずっと裏で検品ばかりしていた。

裏に居れば暇つぶしにしょっちゅうやって来るメンズの店長から逃れられるから(笑)

1日にトイレには何度も行った。時計に穴が開くほど何度も時計を見た。バックレてやろうかと何度も思った。

レディースのスタッフ達とも当たり障りない関係を築いていたが、その中のいかにも女子!という感じのA子がメンズの中で誰がタイプかという話をしていた。

七海も聞かれたが、正直誰もタイプじゃないし彼氏いるし・・とあまり会話には入れなかった。


タツと2回目休憩が被った時、七海は気付かないふりをすることなく、むしろタツが喫煙室にいるとちょっと嬉しかった。

だけどそれは職場で唯一の「同い年」。そして「陽太くんの親戚」だから。


タツ「そういえば、三井って知ってます?」

七海「三井??西中の??」

タツ「そうです!!俺が小川さんの話を大学の友達に話したら、え?知ってる!てなって!(笑)」

七海「幼稚園、小学校一緒でしたよ!(笑)」

タツ「・・あと谷川って知ってます?」

七海「西中の?(笑)」

タツ「そうです!!(笑)俺が三井と話してたら、待って!俺も知ってる!!ってなって(笑)(笑)」

七海「塾同じでした(;'∀')(笑)」


こんなにも共通の友人がいるなんて!!

世間狭いですねー!!って盛り上がった。


タツ「陽太の連絡先わからなくなっちゃって、陽太に連絡くれるよう伝えてもらえませんか?」

七海「わかりました!!陽太くんにメールしておきますね!」


そんな話で2回目の休憩は終わった。






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