summer18
@summer18
第1話 出会い
2004年5月。
高校を卒業し、地元でフリーターをしていた小川七海(18)。
金髪に近い明るい髪、目が大きく童顔でスレンダー。明るく男勝りな性格で、かなりモテたが、男遊びはしないと地元では有名だった。
何かやりたいこともなく将来に不安を持ちながらも、地元の男友達に混ざってバイクや車を乗り回し、少しやんちゃな生活を送っていた。
付き合って2年の彼氏は1つ年下のサッカー部部長のイケメン颯太。
部活が忙しく、あまり束縛もしないし七海が男友達と遊ぶことも許してくれていた。
喧嘩もあまりしない。
七海が怒っていても言い返してこないタイプ。
2年付き合っているが特に不満もなく順調だった。
そんなある日、地域最大級のショッピングモールがオープンするというチラシを目にした。そこに載っていた、オープニングスタッフの求人。
「こんな綺麗な施設で働くのテンション上がりそう!」と思い、応募してみることにした。
ジャンルはアパレル。
服は人並みには好きだし、何より髪の毛を暗くしたくない七海にとっては都合が良かった。
都内まで面接に行くと
・髪の色の制限がある有名ブランドのA。
・Aと系列の名前は初めて聞くB。
のどちらが良いか聞かれた。
七海「Bは髪色自由なんですか?」
面接官「そうですね、こっちは自由ですよ。」
七海「・・・じゃあBでお願いします。」
正直Aだと思って面接を受けに行ったのだが・・・
髪色を黒くするなんてありえないと思っていた七海はBのショップを選んだ。
無事に採用をもらい、オープンに向けての研修などが始まった。
朝早くから夜遅くまで準備に追われる日々・・・
思っていた100倍きつかった。
(23時じゃんもう・・・早く帰りたい・・疲れが全然抜けない・・)
七海は未成年ながらたばこを吸っていた。
唯一の一服休憩を楽しみにしていたが、周りのスタッフは全員まじめの禁煙者。
店長「たばこ吸ってる人います?休憩室が喫煙と禁煙で分かれているんですが・・」
・・・・・しーん。。
(えっ・・・・・・みんな吸わないの?!ってここで私吸いますなんて言えないよな、未成年だし・・・)
たばこ吸ってるなんて言える雰囲気は微塵もなかった。
(あー終わった・・・ここに私の居場所ないなぁ。時間の問題だな~・・)
思い描いていたものとは全然違う現実に、バイトに行くのが毎回嫌になっていた。
七海の働いているショップにはメンズとレディースがあり、それぞれ店舗は分かれていたが、朝礼や終礼は合同だった。
人見知りをする七海にとって、あまりグイグイ来るタイプは苦手なのだが、メンズの店長がグイグイ来るタイプだった。
男の人の下心のある顔。目でわかる。めんどくさい。
「だるい人認定」を得たメンズの店長だが、彼はそんなのおかまいなし。
「七海ちゃ~ん♡今日は生足じゃん!!・・休憩入るの?じゃあ俺も休憩入ろ~♪」
・・・ぐぅぅ。せっかく休憩(タバコ)しか癒しの時間がないのにこの時間まで邪魔されるとは・・。
重い足取りで喫煙室へ向かう。
レディースのスタッフは皆禁煙者なので喫煙室で顔を合わせることはまずない。
だからこそ七海にとってこの休憩時間は大事な時間だった。
その貴重タイムを奪う空気の読めないメンズ店長(26)彼女持ち。
店長「彼氏いるの~??仲良しなの~??プリクラないの~??」
七海「彼氏います。仲良しです。プリクラ・・・今度持ってきますね汗」
お前彼女いるんだろ・・
店長という立場だから邪険にすることもできない・・・
苦痛でしかない休憩時間。店長は会う度ダル絡みをしてきた。
そんなこんなで何とか無事ショップのオープンを迎え、仕事にも慣れてきたある日。
メンズの店長が一人のスタッフを連れて来た。
店長「新しいメンズのスタッフです!紹介に来ました~!!」
タツ「はじめまして!スタッフのタツです!よろしくお願いします!!」
茶髪で色黒。眉毛が濃く目も鼻も口も大きいはっきりとした顔。店長とわちゃわちゃしながら挨拶まわりをしていた。
・・顔が濃いな~。チャラそう~。きっと年上だな。興味なし。
これが見山タツ(18)に対しての第一印象だった。
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