第12話 これがハイカツというやつなのか!!
カツカレーを食べ終わり、店を出た途端、
「フハハ、何という力だ。信じられんほどの凄まじい力だ!こっ、これがハイカツというやつなのか!!」
などと、自称魔王はほざきおった。このセリフどっかで聞いたヤツだな。どっかの大魔王みたいだ。このあと調子こいて、それ以上に怪物的な帝王にやられるんですね。わかります、わかります。
「魔力がみなぎってきた。これなら、この世界に一撃くれてやることも出来ようぞ!」
そこで魔王は空中を浮遊し始めようとしていた。どんどん体が浮いていく!ナニコレ、いくらなんでも空を飛ぶなんてやりすぎやと思うぞ。(※魔王なので問題ありません)
「まずはキサマだ!キサマの家から侵略を開始してやる!お前の家族を我が眷属としてくれよう。今まで我に狼藉を働いたことを後悔させてくれるわ!」
そのままふわー、と浮いたままでウチらから次第にフェードアウトしようとしていた。そのまま飛んでウチん家まで行くつもりか?
「ツグミよ、明日は本格的に世界侵略を開始するので、手伝って貰うぞ!」
「はい、喜んで!」
ああ~、そんな妄言に付き合うことないのに。つぐみんを巻き込むな。そうなる前になんとか阻止せねば!
「では、また会おうぞ!」
「また明日~!」
魔王は飛んでいった。本当にウチん家の方角に向かっている。ホンマに何かされるかもしれん。まあ、ええわせいぜいオカンとお兄ぃがおかしくなる程度で済むだろう。慌てない、慌てない。
「置いてかれちゃったね、ミヤちゃん。」
「いやいや、空飛んで帰るとかありえへんから!」
そんな恥ずかしいことできへん。それに女の子が空飛んだら、見えてはいけない物が色々見えてしまうと思うんです。そんな需要はないと思うので、出来たとしてもやりません!
「ほな、そろそろ、この辺で!」
「うん、そうだね。また明日ね!」
つぐみんと別れの挨拶をして、我が家への帰宅を急ぐことにした。別にオカンやお兄ぃが心配なわけではない。さっさと帰って、タニシの散歩に行かないといけないから!昨日はアイツの妨害を受けたので、不十分だったからだ。
「帰る間にアイツへの対抗手段を考えとかなアカンな。」
大それた事をして、大それた発言をした直後である。それなりの制裁を加えてやらねば、ますます図に乗るだろう。しかも、つぐみんにカレーをおごらせた罪は大きい。ウチかてそんなことしてもらったのあんまりないのに!許さんぞ、エセ魔王!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます