回収の後
「これで全部?」
「ん、大丈夫」
基地跡での回収作業を終え、私達は再びキャンピングカーへ戻って来た。
2人で1回に運べる量はそこまでではないので何往復かしたのだけど、その往復作業が終わって”回収する”とした物の回収作業が終わったところである。
主に何を回収したのかと言えば……まあ一番優先順位の高い食糧関係は当然として医療用品や武器といった感じになる。
武器については拳銃とアサルトライフルをそれぞれ4丁ずつの合計8丁を拝借させてもらった。拳銃2丁、アサルトライフル2丁で十分かと思うけど、とりあえず予備として一応2丁ずつ追加で拝借した形となる。
「これでまた当分は持ちそうねえ」
「うん。そもそもまだ在庫使い切っていないし」
「あはは、まあそうだね」
既にある貯蓄自体、切れている訳ではないので実際は補給はしなくてもよかったけれど、念には念を入れよ、ということでここは1つ。
で、食糧というか携行型食糧Ⅲ型についてだけど、やっぱりあれは他のタイプも存在していた。
武器回収もし終えて早速食糧、ということで散策したのだけどやはりというか何というか……第3の近くで第1冷凍保管庫と第2冷凍保管庫を見つけることが出来た。中身も予想通り、第1冷凍保管庫ではType-A、第2冷凍保管庫はType-Bの携行型食糧Ⅲ型が保管されていた。
携行型食糧Ⅲ型のTypeについては以下の通り。
Type-A → 海鮮料理系
Type-B → 肉料理系
Type-C → カレー類
海鮮料理系……一昔前ではそんな長持ちするようには作られてなかったけど技術等の進化によって長期保存出来なかったものも保存できるようになったのよね。海鮮系は腐りやすいし、長期保存には向いてなかったものね。
まあそれは肉にも言えることだけど……肉の場合は、一応、長持ちするものも一昔前には既に存在していたけど精々1年~2年が限度だった。
「食糧のバリエーションが一気に増えたわね」
「ん」
と言っても何度も言ってるけど私達は1日2食で尚且つ、ルナも私も小食の部類の人に入るので消費量は少ないのよね。だからあまり回収しすぎても消化し切れないので少しだけ拝借した。
「携行型食糧Ⅲ型ってType-Eまであるみたいだけどあそこにはなかったわね」
「ん。そうだね。どんなのだったんだろう?」
携行型食糧Ⅲ型を回収するにあたって資料のようなものを見つけたのだけど、そこにはⅢ型はType-AからType-Eまで存在すると明記されていたのだ。ちょっと気になるけど、ないものは仕方がない。
「どういうのだったんだろうねえ。私も気になるけどないものは仕方ないね」
「ん」
話を戻そう。
今言った携行型食糧Ⅲ型と武器のほかに回収したものはちょっとした医療用品や生理用品とかだ。医療用品や生理用品についてはいくらっても困らない……というか必須だし。
こんな世界になって取り残されたとしても人間は人間。女性なら月に1回程度来る例のあれだって私達には普通に来るので必須なのよねえ。
「そろそろキャンピングカーも手狭になってきたかも」
「確かに……」
「回収しすぎたかねぇ……いやでも必要だし」
「ん。でもとりあえず今は大丈夫だよね?」
「まあね。まだ若干余裕はあるから」
ちょっとこの先の補給に関しては少し考えるしかないかもしれない。
まあ一番の要因はたぶん補給分を下回る私達の消費量の少なさなんだけどもね……現状、補給過多なので回収する数や量等については見直したほうがいいかも。
念のため、念のため……ってやってたらこうなってしまったわ。これはこちらの落ち度かしらね。
「次からはちょっと補給量見直そうか」
「ん。それがいいと思う」
補給に関しては見直す方向で。ルナも賛成のようだし考えなきゃね。
……それでまた逸れたけど、実は基地跡でいいものを回収できたのよね。いいものというか望んでいたもの。
そう、浄水器である!!
今キャンピングカーに積んである電気浄水器よりも大型で、高性能……かまではわからないけど基地で使ってるものなら高性能なはず。
とりあえず、大きいものなので今の浄水器と比べて1回に浄水できる水の量が増えたと考えればいいと思う。これだけでもだいぶ効率が良くなるわね。
……まあ、手狭になった原因の1つはこれなんだけども。
でも水は必要だし、効率よく水を補充できるならってことでちょっとキャンピングカーと相談して搭載することにした。
「……」
実際のところ、小型で高性能っぽい浄水器も基地にはあったのよね。でも量のほうがいいと思ってこっちを選んで拝借してきたけど。
大きいので雨水に一々使うのは大変なので雨水に関しては今まで使っていた浄水器で回収することにする。
と、とにかく! 念願、とまでは行かないかもだけど大き目の浄水器が回収できたのでまた私達の生活は進化したのだ……。
そんなこんなで私達はキャンピングカーに乗り込み、最終確認をしてからその場を走り去るのであった。
あとがき
ここまでお読み下さりありがとうございました。
前話の通り、一旦更新をここで止めます。
この後は本当に不定期となりますが、よろしくお願いいたします。
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