基地跡②


「これって……RPG-7?」

「それと同類だけど名称は何だったかな……ん。110mmの対戦車弾が撃てるやつ」


 少しRPGに似ているけど違うらしい。というかよく考えたら日本の武器じゃなかったわね、あれは。


「とりあえず対戦車を想定した武器」

「なるほど。というか、ルナそういうの知ってるんだ」

「ん……と言ってもうる覚えだけど」


 それでも十分凄いと思うけどね。

 私の場合はそっち系は流石に専門外だから何もわからない。とりあえず、なんか爆発するものが撃てる武器、弾丸を連射できる武器といった程度の認識しかないわ。


「ん。流石にこれはいらないかなと思う。爆発するし動物相手に使うには火力過多。あと私達も爆風に巻き込まれる可能性がある」

「あーね」


 爆発物は流石に要らないわね。

 自身が巻き込まれる可能性もあるし、車に積んで置いたら何らかの拍子に起爆してキャンピングカー諸共お陀仏になりかねない。


「警察官がもっているような拳銃でいいんじゃないかしらね……まあ知らないけど」

「ん。たぶんそれでも十分だけど、念のためサブマシンガンとかアサルトライフル系統もあったほうが安心。弾もだけど」

「そっか」


 武器関係は疎いからなあ、さっきも言ったけれど。

 いや武器種とか、カテゴリー名? とかそういうのは何となく知っているけど。さっきルナが言ったようにアサルトライフルとかサブマシンとか……それってカテゴリー名よね。

 最もそれを知っていても私だとアサルトライフルは弾を連射できる大き目な銃、サブマシンは何か速い連射ができる小さ目な銃という認識しかない。


「スフィアの認識は合ってると思う」

「あ、そうなんだ」

「ん」


 とりあえず、武器関係はルナに任せよう。

 私は私で何か使えそうなものがないか探そうと思う。そうルナに伝えてから一旦彼女の傍を離れることにした。




◇◇◇




「おー……これはいいのでは?」


 ルナと一旦別れ、屋内を散策すると一番欲しいものっぽい何かが見つかった。大きな箱ではあるが、蓋がちょっとだけずれており中身がちらりと見える。


「自衛隊のレーションなのでは?」


 もう少しよく見てみよう。

 少しだけ開いている蓋をずらしてから中を覗き込む。ちょっとしたデザインの入った袋が複数個、箱いっぱいに詰め込まれていた。


「ふむ。携行型食糧Ⅲ型……か」


 箱にも書いてあったけど中の袋にも小さく書かれているようだった。

 で、肝心な中身だけど……まあ見た目はレトルトっぽい? でも特殊材料でできているらしく長持ちするんだとか。


「賞味期限は……わぁ」


 やっぱりこういう技術だけは凄いわよね。

 常温……おおよそ10~15度以下で未開封で保存した場合、5年以上持つらしい。冷凍で保管すればほとんど賞味期限関係なく食べれるそうだ。


「……今更だけどここってもしかして冷蔵庫?」


 なんかやら寒いなとは思っていたけど……そういえばドアも結構重い感じだった。


「というか電気生きてるんだ」


 ソーラーとかだろうか。基地であればそういったものがあってもおかしくないし、何なら独自の発電機とか予備電源とかもあるのかもしれないわね。


「ふむふむ。-20度とな」


 ん……マイナス20度!?


「……冷蔵庫じゃなくて冷凍庫じゃん」


 一度外に出て入り口付近を探れば掠れた文字で書かれていた。


「第3冷凍保管庫、か」


 冷凍という名前が入っているので間違いなく冷凍庫なのだろうと思う。道理で寒い訳よね。結構服も冷えてるし……外に出た瞬間暖かさを感じたし。


「ってことはあそこに保管されてるレーション……えっと何だっけ。あ、携行型食糧Ⅲ型だ。あれ冷凍保管されてるということは賞味期限はない状態ということよね」


 お、これは追加の食料確保かもしれないわね。

 と言っても、まだ自分たちがもっている食料も残っているけれどね……いや前にも言ったと思うけど1日2食にしているし、私もルナもどちらかと言えば小食だから減る量も少なめなのよね。


「第3ってことは少なくとも第1と第2はあるってことよね」


 うーん。

 ここはルナと相談かしらね。意外とすぐに食料が見つかるとは思わなかったし……何なら食べられそうなものはないまで考えていたから。


 とりあえず、もう少しだけ散策してからルナに合流しようかしらね。



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