第11話 リバース:1999
ニケに負けず劣らずのゲームがあるのをご存じであろうか? それが、この表題作である。
やはり雰囲気はもの悲しいものである。ストーリーは重厚で緊迫している。ただ、主人公が少女ということもあり、多少は緩和されている。
ニケがシューティング・ゲームであるのに対し、こちらはカード・バトル。なので、操作がしづらいとかいう問題がなく、よりスマホ向きといえるだろう。(どちらのゲームにもPC版がある)。対人要素(いわゆるPVP)は皆無であり、自分のペースで楽しむことができる。
『ストーム』という時間の逆行に巻き込まれた世界を描くSF作品である。舞台は英国であるが、どこか無国籍風であり、日本人にもなじみやすい仕上がりとなっている。
月夜に照らされた川。ただ、流れている。己をどこに導くのかさえ、定かではない。死であることも十分にありえる。そして、それは時の流れにも似ている。そんな不穏さを抱えながらも、主人公たちの気品に引っ張られ、美しさを失わないゲームである。
物語そのものは全然異なるのだが、『約束のネバーランド』に近しいものを感じる。
ニケが前年、そして、このリバースが今年と。私自身、ずっとスマホ・ゲームをやって来た訳では無いので、断言できないが、ただ豊作の年月なのだろうなとは想う。(スマホ・ゲームとはいえ、昨今では制作に数年かかると言われている)
書いている人には、特に本作のストーリー(や構成)の部分に着目して欲しい。
エンタメに対しては本気であっていい。ともすると、日本の閉鎖的な市場ばかり見ていると忘れがちなことを想い出させてくれたりする。
中国初のエンタメでいうと、同じSFジャンルで小説の『三体』がある。ただ、これの翻訳に数年かかったことを想うと、ほぼほぼ同時進行――現地に比べれば半年遅れという――が楽しめるというのは、スマホ・ゲームの利点なのだろう。
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