第10話 転んでもタダでは起きない?
メガニケにはとても評判の悪いシステムがある。いわゆる、レベル160問題という奴である。ゲーム内の最高レアであるSSRを5体3凸させなければ、レベルが160で止まってしまうというものである。これは、そののち、少し緩和されて、3凸できたキャラのみレベル200まで進めるというようになっているようだが。
楽しみな育成がストップしてしまうのだから、これが原因で
コンシューマー(ゲーム業界ではファミコンやプレイ・ステーションをこう呼ぶ)育ちの私は典型的な微課金である。つまり、ソフト代程度は払うよ、という訳である。ただ、ニケにおいては、限りなく無課金に近い。ときどき、ルピーお姉さんにおねだりされ、まさに缶コーヒー代程度を課金するくらいである。
課金しないのには、理由が無い訳ではない。そもそも、私はガチャに課金するのが嫌いである。配布のガチャ・チケットで当たらなくても、この
ただ、スマホ・ゲームのガチャには天井――外れくじ何枚で当たりと交換という奴――がある。もう少し課金すれば天井というときに、課金するのが私のやり方である。幸か不幸か、ニケにおいては、そのタイミングに恵まれなかった。
もう1つ課金するとすれば、衣装である。ただ、ニケの場合、少々高い。三千なんぼである。しかも、アクションRPGだと、その衣装をまとって大活躍というのが楽しめるのだが、ニケだとお尻ふりふりの後ろ姿が拝めるに過ぎない。
とはいえ、基本、スマホ・ゲームの課金周りについては、どうこう言う気は無いのである。恐らく、私と同様、高いなと想われる方が多いだろう。ただ、一応、注記しておくと、私のように払わないで遊んでいる人が少なくない以上、高めに設定しないと、ゲームの運営がそもそも成り立たないのである。統計データを見たことはないのだが、プレイしている人の大半は微課金・無課金で、他方、ゲームの運営を支えているのは少数の廃課金という話である。本当かどうかは知らないし、確かめようもない。
現実に成り立っているので、今更だが、このスマホ・ゲームのビジネス・モデルは興味深い。私だったら、そんなの成り立つ訳ないじゃないと決めつけているところである。なんで、タダで遊べるゲームに馬鹿みたいに金をつぎ込む人がいるのと。しかし、浅はかなのは私であった。今では、コンシューマーより売り上げが大きいとの話もある。
ところで、半年前に話を戻すと、結局、私はレベル160問題を乗り越えるために、課金する必要がなかった。運営の方もこれが問題であることを自覚したらしく――つまり、これが原因で離脱する人が続出する状況があり――対応が打たれた。1つは、レベルが140に達した時点で使用できる、1体分のSSRの凸素材が配布された。もう1つは、SSRのライちゃん4体(つまり3凸)が配布という形となった。これで、条件としては、『5体3凸』から『3体3凸&1体2凸』に緩和された訳である。私の場合、凸素材は使ったが、ライちゃんのお世話になるまでもなく、この条件は突破できた。
ところで、なぜ、これが評判が悪いのかを一応説明しておこう。1つには、これがまさに弱り目に祟り目であること。これは、ほとんどのゲームでそうなのだが、凸というのは重ねられれば、それに越したことはないのである。凸するほどにキャラは強くなる。ただ、そこはまさにガチャ運次第となる。つまり、ガチャ運に恵まれないばかりか、更に課金までしなければならないのかよ、という訳である。
もう一つには、やり込んでプレーするほど、この問題に直面しやすいのである。つまり、レベルアップが早い人ほど、そうなる。上述した如く、私がレベル160問題に当面する頃には、運営は対応策を取っていた。裏を返せば、それだけ、私のレベルアップが遅かったということでもある。
そんなこんなのレベル160問題であるが、上記のライちゃん、性能的には優れず――可愛いのではあるが――ほとんど誰にも使われずであった。そのライちゃんはハーフ・アニバーサリー(半年記念)のプレゼントということであったらしい。私自身は、その後も恒常的に入手できると想っていたが、そうではないようだ。そして1周年、運営は逆転の一手を仕掛けて来た。チビ・スノホワである。(そもそも、スノー・ホワイト(デカ・スノホワ)というキャラがおりその子供版ではあるのだが、設定的には思考転換前というSF的なものが介在していたりする)
やはり、ライちゃんと同様、配布なのだが、性能的には、チビ・モダニア(モダニアというのは、このゲームで唯一無二のトップ性能のキャラ)というほどに有用である。
このレベル160問題というのは、明らかに運営側の失策である。ただ、ゲーム開発をしている側に立てば、どうやって、開発資金の回収を図るのか、更にいえば利益を得るのかということを考えると、というか、そうしたプレッシャーの下に開発をなすことを考えれば、このような設定も理解が及ばない訳ではない。ユーザー側にすれば、決して歓迎すべきものではないとしても。こちらにすれば、もっと気分よく課金させてくれよ、というものである。
そういえば、レッド・フード・ガチャのために、3千円ほど課金したが、想ったとおり、当たらなかった。なぜか、すり抜けでピルグリム枠のノア2体、デカ・スノホワ1体が当たった。レッド・フードは確率1%、ノアとデカ・スノホワは0.065%である。確率って、何だろう?
(ちなみに、スノー・ホワイトは白雪姫、そのスキルのセブンス・ドワーフは当然ながら『7人の小人』、レッド・フードは赤ずきんちゃん。ドロシーはオズの魔法使いのドロシーから取られていたりする。)
おまけ:なんだかんだで、レッド・フードの性能が上方修正された。喜ばしいことだと想う。ニーア・コラボや1周年で始めた人には、チビ・スノホワとともに役立つと想う。まあ、ガチャで当たったらではあるが。基本、リセマラ(リセット・マラソン)不推奨の私であるが、今回ばかりは、レッドフード確保のリセマラは有りとは想う。1%なので、そんなに大変ではないとは想う。モダニアや紅蓮狙いのリセマラは、なかなかの地獄のようだから。
私自身はモダニアに随分と助けられた。初期に始めた人で、そうした人は多いと想う。1周年を迎えた今、レッド・フードがその役割をなすというのは、望ましいことだと想う。
あと、これは、ネタバレではあるが、レッド・フードは事実上、限定ラピなのである。タイトル画面で物憂げな表情を見せる、あのラピである。あえて変更しなければ、プレイヤーのアイコンはラピとなる。このゲームのヒロインは誰か? そのラピが弱いはずないだろう。今回のレッド・フードの性能修正はそんなユーザーの気持ちに運営も気づいたゆえと想う。もっとも、運営――というか開発陣は、ユーザー以上にラピに想い入れがあると想う。(ゲーム・バランスから見れば、修正前のレッド・フードの性能でも間違いとはいえないとは想うが)
開発陣自身が自らが作り出したキャラの魅力に呑み込まれる。これが、今回の上方修正の理由とすれば、それは、開発陣、ユーザー双方にとってとても幸せなことではないだろうか?
おまけ2:ところで、運営がより有力な課金先を見つけたのを知っているぞ。衣装ガチャである。上記で3千なんぼとしたが、こちらでは、最悪1万円ほどかかる。(運が良ければ3千なんぼ)。でも、レベル160問題で課金するより、こっちの方が気分良く課金できると想うぞ。とはいえ、私は課金しないが。
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