第257話 後悔
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「攻略が始まったか…」
「なんとなりそうで一安心ですね。しかし…」
バチカン市国内のとある一室にて。お偉いさん達が、1級の狭間攻略がとりあえず始まった事に安堵していた。
「今回はこれで良いが、莫大な出費だ。我々が攻略出来ない狭間が出現する度に、こうなるのかと思えば頭が痛い」
「そうですね…」
織田天魔が世界の探索者達の地力底上げの為に行われた合宿。当然バチカンとアメリカは呼ばれなかった。
過去の所業のせいで、関係が悪化しているせいだが、今更後悔しても遅い。
僅か数ヶ月程の合宿で、各国の探索者達の実力は見違えるほどになった。このままでは世界に置いていかれる。
しかし、相変わらず織田天魔サイドとの関係改善は望めず、未だにプライドが邪魔をして頭を下げる事も出来ない。
「これでもバチカンはマシな方です。アメリカはもっと悲惨でしょう」
「そうだな」
バチカンに出現した狭間は1級。日本以外の国の探索者になら、対価を支払えば攻略してもらえる。
織田天魔も自分達は関わらないが、教えを受けた探索者達が攻略する分には何も言って来ない。
バチカン上層部の人間は今更になって理解した。織田天魔はバチカンに興味がないのだ。潰れてもいいとすら思っているのだろう。
中国の事件もそうだ。どうでも良いと思っているから、中国全土に隕石を落とすなんて事が出来る。
大国であるアメリカですら、織田天魔に見放されて、今では存亡の危機である。バチカンは1級の狭間だから、他国に救援を頼めたが、アメリカにあるのは特級狭間。
レベルが上がった各国の探索者でも、攻略は無理だと言われている。
「天使様を憑依出来る能力を授かっておきながら、神の為の国の助力を断るとは。背信者にもほどがあるぞ」
バチカンの上層部では、未だに織田天魔に恨み言を言う人間がいる始末。そして、その発言に同調する人間も多いのが、今のバチカンの現状だ。
「我が国もアメリカと同じ道を辿るかもしれんな」
今は良い。他国に救援を頼めるのだから。しかし、バチカンにも特級狭間が出現したら? 頼れるのは織田天魔しかいないのに。
その事に気付いている上層部の人間は、なんとか織田天魔と関係を改善しようとしているが、未だに傲慢な考えを持ってる人間がいる限り無理だろう。
「我々上層部の人間全員の命と引き換えに許してもらえぬものか。………そんな事をされても迷惑なだけか」
ようやく現実が見えてきた人間が増えてきたものの、もう本当に遅い。関係を改善するまでに時間がかかり過ぎた。
果たして一体、これからどうなるのか。
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はい。という事で今章はこれで終わりです。
お疲れ様でした。
新たにガチャで仲間が一人増えて、他国の探索者達がレベルアップして。天魔達はダラダラして。
ようやく、天魔があっちこっちに飛び回らなくて良くなりましたね。
次章は、他国の探索者達が狭間を攻略しつつ、生産方面の話を書けたらなーと思ってます。
ではではまた次章で〜。
作者は他にも作品を更新してますので、良かったらそちらも見てくださーい。
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