第218話 一応の終了


 「なんかあれだな。飛び散ってる臓物より、吐いてる奴らの嘔吐物の方がキモく感じる」


 「分かる〜」


 首謀者の奴らは最後に取っておこうと、末端の奴らの処理をポンポンと進めて、数時間が経った。


 既にかなりの奴らが腹を掻っ捌いて、中には運良く死ねた奴もいる。勿論まだ死ねなくて苦しんでる奴もたくさんいるが。


 で、その光景を見て耐えきれなくて吐く奴とかもいるわけよ。腹を切って出てきた臓物より、そっちの方がなんかうわぁって気持ちになる。


コメント

・なんか言われてみれば俺もそんな気持ちになってきた

・感覚が馬鹿になってきてるんだろうな

・医者とか毎日こんな臓器とか見てるんだろ? すげぇな

・俺も現場に居たら吐く自信がある


 「まあ、どうでも良いか。さっさと末端の奴らを処理して、メインディッシュにいこう」


 首謀者というか、今回の襲撃の元凶の奴らもしっかり確保している。中国のお偉いさん数名と、世界探索者協会の奴が数人。


 中国の奴らは日本人である俺の活躍を気に食わなかったっていう馬鹿な理由で襲撃して、世界探索者協会の奴らはそれを煽ったらしい。


 世界探索者協会の奴らは俺が負けるとは思ってなかったみたいだが、何かしらの騒動になると予想して、俺に責任を擦りつけて、俺を好き放題出来る駒にしようと画策してたらしい。


 うむ。ただの馬鹿である。まさか、こんな力技で解決すると思ってなかったんだろう。想像力が足りなさすぎだ。いくら温厚な俺でもキレるときはキレる。


 普段怒らない人がキレたらやばいってのは鉄板だろうよ。自分で言うのもあれだが。


 ほんと人間って馬鹿な理由でとんでもない事件を起こすよね。歴史が物語ってる。全然勉強が出来ない俺でも、過去に意味の分からん理由で戦争を開始したのを知ってるんだ。


 全く成長しない。どれだけ文明が進んで技術が発展しようと、人間の根っこは永遠に変わらないんだろうな。非常に愚かである。まあ、俺もその人間の一人なんだけどね。


 人様のことをとやかく言うほど、俺も出来た人間じゃないけど、流石にここまで馬鹿じゃないと思いたい。


 それはさておき。


 とりあえず首謀者の奴らは、楽に死なせない。魂が壊れるギリギリまで蘇生して、ハラキリさせてを繰り返してやる。まあ、それは言わないけど。やっと死ねたと思ったら蘇生されて、また同じ苦しみを味わう絶望感をしっかりと感じてもわらねば。


 ネガポジだな。何回蘇生を上乗せ出来るのか楽しみである。






 「三回かよ。根性ねぇな」


 はい。首謀者達の処理を始めてから二日経ちました。既に末端の奴らは全員お亡くなりになってて、もう残りはこいつらだけ。


 そのこいつらも三回蘇生させて、魂がそろそろ怪しくなってきた。根性がなさすぎる。異世界の暗部の方がよっぽど覚悟が決まってたぞ。


 中にはどれだけ拷問しても、悪魔を使っても、蘇生しても、情報を吐かなかった猛者もいるんだ。そんな奴らを見てると、現代人の脆さを痛感するね。


 俺も異世界を経験してなかったら、殴られただけで情報を吐くだろうから、こいつらの事は言えないんだけど。やっぱり環境って大事なんだなと改めて思いました。


コメント

・根性でどうにかなる問題じゃないと思う

・あの生き返った時の顔がやばすぎる

・人間ってあんな『絶望』って感じの顔が出来るんだな…

・なんか夢に出てきそう


 仕方ない。物足りないけど、次で最後にしてやるか。


 これで長かった騒動もこれで終わり。各国のお偉いさん達は、これからが本番だろうが。この国をどうするのかとか、色々話が必要だろうしね。


 俺はその辺はノータッチで。もう今回の件が終わったら興味もないですし。あ、でもちゃんと中国の1級狭間を攻略した報酬は下さいね。


 タダ働きはごめんですよ。今更だと思うかもしれないが、こういうのは大事だと思いますね、ええ。

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