第212話 集計
「おーおーでるわでるわ、たくさんの名前。思った以上に天魔君は嫌われてたんだねぇ」
紙に書き終わった奴から、順番に回収してみんなで集計していく。重複してる名前もいっぱいあるけど、俺の予想以上に関係者が多い。
「はぁ。日本も多いなぁ。日本の為、世界の為に結構頑張ってたと思うんだけど」
「ショックだよね〜」
日本人らしき名前も50人ほどある。嘘偽りなく書けって言ってあるから、貶めようとして書いてる訳じゃないだろう。本当に俺を邪魔に思ってる人間がいるみたいだ。
裏取りはしてもらうが、天魔君非常にショックである。そりゃ万人に好かれるような性格はしてませんけどね。俺が表舞台に出てきた事で割を食った人もいるだろう。
それでもそれ以上に還元してきたつもりだ。大体の要請には応えてきたし、それなりにサービスだってしたつもりなんだけど。
「成功してる奴を妬む者はどこにでもいることだ。深く考えることはあるまい」
「まあ、そうだな」
公英の言う通り。活躍してチヤホヤされてる人間が無理だとか、生理的に嫌いって人もいるだろう。考えすぎても時間の無駄になりそうだな。どうせ殺すんだし、これから死ぬ奴の事は放置しておこう。
コメント
・うわ、こいつも関わってるのか
・確かに黒い噂は結構あったよな
・有名政治家の名前とか出てきて震えるんだが
・し、使徒様、日本は標的にしないでくださいお願いします
・あ、こいつって松永とズブズブたった奴じゃない?
「松永?」
集計をしてる風景もしっかりと撮ってるから、名前とか世界放送になってるんだけど、コメントを見てたらどこか聞き覚えのある名前が。
「松永…誰だっけな…」
「ほら〜。あの老害さんだよ〜」
「ああ、あいつか」
ちょっと洗脳をミスって、やたらと俺に執着してきたやつ。あれはかなり鳥肌もんだったな。現代に帰ってきて初めて恐怖を抱いたもん。
「ふーん。老害が退場して利権がなくなった逆恨みとかかね」
あほくさ。あんな人類の発展を遅らせた奴と付き合うから悪い。あれが自分の名誉の為に2級の狭間とか攻略させないようにしてたから、回り回って俺が現代に帰ってくるようになってしまったんだ。自業自得だね。
3級の狭間を攻略した勢いで、そのまま2級の攻略とかに尽力してれば、もしかしたら俺が現代に帰って来る事はなかったかもしれない。『爆発』なんて有用な能力も持ってたしね。
あいつが余計な事したから自滅したんだ。
「よーし。名前の集計が終わったらこの配信で正式に発表しますんでー。呼ばれた人は大人しく集合して下さいねー」
コメント
・軽い
・なんか頭がおかしくなってくるな
・これ、収集つくの?
「来ないという選択肢はありませんよー。自殺しても蘇生させますし、口封じに殺そうとしても、ちゃんと蘇生させます。面倒な事をせずに、さっさと集合して下さいねー。あ、寄越さなかった国は隕石をプレゼントしよう。もうめんどくさくなってきたから、さっさと終わらせたいんだ」
コメント
・ひえっ
・日本政府! すぐに送れー!
・死は救いではないという事か
・死んでも助からないってやばいっしょ
「名前をパラパラ見てて不思議なのは、バチカン関係者がいないっぽいんだよね」
「向こうの言い分はだんちょ〜は神の使徒って事になってるから〜。流石にそれを襲撃しようとは思わなかったんじゃないかな〜」
ふーん? あんな失礼な事をしといて今更と思わなくもないけど。最低限の、ほんと最低限のモラルはあったみたいだな。
襲撃を主導したこの国よりよっぽどマシですね、ええ。それでこれまでの事を許すかって言われたら別問題だが。
襲撃しないのが当たり前なんだし。
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