第204話 襲撃配信


 「放て!!」


 「こいつら正気か?」


 狭間から出た瞬間。

 大量に並んでた軍人達から銃撃された。

 思わず正気か疑っちゃったよ。


 「今更俺達を銃撃でなんとか出来ると思ってるのか?」


 「撃て撃て撃てー!!」


 俺じゃなくても能力持ちなら銃撃を対処するのは容易いんだけど。一応フランスで狙撃を防いだりしてるのを知らないのかな? あ、あの時は桜が防いだんだっけ。


 もしかして一斉射撃ならなんとかなるとでも? 流石に天魔君を甘く見過ぎじゃないですかねぇ。


 「桜、撮れてる?」


 「バッチリだよ〜」


 俺は結界で銃撃を防ぎながら、桜が構えてる携帯に顔を向ける。全世界に生配信はしっかり出来てるらしい。


 「いえーい! みんな見てるー? 今中国の狭間を攻略し終わったんだけど、なんと狭間から出たら襲撃されてまーす!」


 撮れてるならこっちの証拠はバッチリだろう。俺が反撃しても立派な正当防衛。何しても許される。


コメント

・は?

・一体どういう事?

・うわぁ…うわぁ…

・マジじゃん

・使徒様のテンションどうなってんだwww


 俺の真後ろでは物凄い銃撃音がしてるけど、そんなの知ったこっちゃない。たかだか現代兵器で俺の結界が壊せるかってんだ。せめて神田さんの太陽パンチぐらいを持ってきてくれないとね。


 「非常に。ひっじょーに心が痛むけど、ここまでされて何もせずにいない訳にはいかない。中国が何を考えて襲撃してきたのか知らないけど、ここらで織田天魔も怒ったら怖いんだぞっていうのを分かってもらおうかと」


コメント

・おわっ!

・なんかゾワっとした

・ひっ…

・使徒様マジギレじゃん…


 もしかして俺が狭間の外では派手な能力を行使しないとでも思ってるのかな? 狭間でいつも使ってるような魔法を使えば、国一つぐらい滅ぼすのは簡単だって分かりそうなものだけど。


 中国の関係ない一般人には申し訳ない。

 本当に申し訳ないけど、今回の件を簡単に許す訳にはいかない。中国の国というものを滅ぼさせてもらう。


 「憑依ポゼッション:勤勉サンダルフォン救恤カマエル


 土属性と火属性の天使に憑依して、一瞬で魔力を練り上げる。しっかり範囲を指定して、中国以外に二次被害が出ないように調整。後で結界も張って、中国以外には何もないようにしておこう。


 「中国なんたら年の歴史お疲れ様でした。堕ちろ。流星群メテオシャワー


 上空から火を纏って岩石群が中国国内を襲う。勿論俺達に手を出してる軍人達にも直撃だ。


コメント

・やっちゃった…

・うわぁ…

・これって大丈夫なの?

・使徒様の目が怖い


 敢えて軍人達にはぶつけずに、生き残ってもらって自分達が誰に手を出したのを分からせて、絶望してもらうのも良かったかな? でも、加害者の軍人達はノータッチって訳にもいかなかったしなぁ。


 「地獄絵図だな」


 「やったのはだんちょ〜だけどね〜」


 未だに降り止まない岩石群。中国という国を徹底的に破壊するまで続くよ。一般人には申し訳ないけど、尊い犠牲になってもらおう。


 イラッとしてプチってやっちゃったけど、今回の件は流石に叩かれるかなぁ。関係ない人にも手を出してるからねぇ。まあ、世間がうるさいようなら、さっさと仲良い人だけ連れて隠居しますけど。


 なんならこの滅ぼした中国に拠点を構えたって良い。誰もこんな曰く付きの場所に住みたいと思わないでしょ。


 それに中国という国は無くなっても、この土地に狭間が湧くだろう。それに対処しないとあっという間に狭間が崩壊して大変な事になる。


 まあ、俺が結界を張っておけば良い話なんだけど、その辺はどうしようかね。

 勢いでちょっとやり過ぎちゃったかなぁ。


 でもここで甘い対応しちゃうとねぇ。後々に更に面倒になりそうだし。フランスの時の個人が手を出してきた時とは話が違うよ。


 軍人が手を出してきたって事は国が許可した事なんだろうしね。


 ここから一体どうなる事やら。

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