第195話 一気に
サーキットでわっしょいしてからしばらく。スイス、スペイン、オーストラリアの1級の狭間を立て続けに攻略した。
タイムリミットに焦ったのか、それとも何処ぞの国みたいに置いてけぼりにされるのを恐れたのか。それは分からないけど、急に攻略要請が三国から届いたから、ささっと攻略した。
まあ、俺はいつものように見てただけなんだけど。四人が頑張って攻略してくれました。特級狭間を攻略した事もあるのだ。
よほど特殊なギミックがない限り1級の狭間なら四人で攻略出来る。しかし四人はロシアの特級狭間で痛い目を見た経験があるからか、油断をせずにしっかり資料も読み込んで攻略した。
成長が見られて嬉しいですねぇ。
まあ、それでもブートキャンプはやるけど。他国の探索者と一緒にやってやろうと思ってます。
1級以上が出現した国で残ってるのは、イタリア、アメリカ、ハワイ、中国、バチカン。
あれだけ大量に出現したのに、よくここまで減らしたもんだ。
「で、イタリアから攻略要請がある訳だが」
「バチカンに近いよね〜」
そうなんだよ。別にイタリアに行きたくない訳じゃないけど、面倒な国に近いから。
あそこの要請は未だに無視してるからなぁ。
でもちゃんとした条件で要請してくれてるのに、バチカンに近付きたくないからって理由で拒否する訳にはいかない。
「観光とかする時もさ。バチカンに近い所に観光名所もあるじゃん? 純粋に楽しめるかなぁ」
「だんちょ〜ならそんな事気にせず楽しみそうだけどね〜」
それはそうだけど。少しでも姿をチラつかせたりされると、楽しい気分が台無しになるじゃんか。
イタリア側は近付かないように要請するって言ってるけど、それを守るようならこんな面倒な事態になってないんだよね。
「まっ、グダグダ言ってるけど、結局行くんだよね」
行かない選択肢がない。イタリア観光したいし。でもイタリアには申し訳ないけど、サッと観光して、サッと帰りたいから今回は俺がスパッと攻略させてもらおうかなと思ってます。
なるべく派手な魔法を使って動画映えを意識するから許して欲しい。
「そういえば公英と陽花をガチャで召喚してもうすぐ1年経つよな」
「そうだね〜。今年はあっという間だったよ〜」
そうだな。海外にいる方が多かったからか、あっという間に過ぎたな。神田さんも加わったりで、楽しかった。
「次はどんな人がお友達なるのかな〜」
「面白い奴がいいな」
ここまで戦闘系の能力者ばっかりだけど、そうじゃなくても全然良い。玩具製作(18禁)みたいなのはいらないけど。
流石にその能力持ちを抱えるのは一人で充分だ。
「男の人かな〜。女の人かな〜」
「男女比的には男の方が嬉しい」
まあ、これもそんなにこだわりはないな。みんなと仲良くしてくれるならそれで良い。
扱いが難しいタイプは勘弁してほしい。
「『シークレット』も短い期間で規模が大きくなったね〜」
「そう考えると、まだ異世界から帰ってきて2年ぐらいしか経ってないのか」
ここまで良く頑張ってきたな。もう充分なんじゃないかと思わなくもない。
後数年育成に力を入れれば俺抜きでもやっていけるだろう。
魔王クラスのやばい奴が出て来たら話は別だけどね。まあ、それはないだろう。狭間は俺がいた異世界と繋がってるんだ。向こうに魔王が誕生しない限りは大丈夫。
やばい敵は禁忌領域の敵ぐらいだろうが、それも大半は面倒だから結界を張って放置しただけで、本腰を入れて攻略すれば倒せない敵ではない。
楽隠居はもうすぐかな。
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