第193話 ロシア攻略終了
料理に舌鼓を打ちつつ、ロシア観光。
定番といえばやっぱりモスクワ。
なんかここは歩いてるだけで楽しめる。
千葉にある某有名テーマパークみたいな建物が多いんだよね。ライトアップされたのとか絶景だし、来て良かったなと思いました。
グム百貨店でお土産を選んだり、経済を回す為と言い訳しつつ爆買い。その国で稼いだお金はなるべくその国で使わないとね。
とても使い切れる額じゃないけど、なるべくって事で。
「うわぁ。玉ねぎがいっぱいですっ!」
「七海ちゃんは玉ねぎに見えるんだ〜? 私はニンニクかな〜」
「俺はゲームに出てくるスライムに見える。ゴールデンスライム的な。経験値とかいっぱいくれそう」
続いてやって来たのはクレムリン。
玉ねぎやらニンニクやらに見える特徴的な見た目の建物がずらりと並んでいて、この敷地内には、武器庫とかダイヤモンド庫とか観光スポットがいっぱいある。
エリアに入るにはチケットが必要なんだけど、そこは使徒様のご威光がやくに立つ。
ロシアの協会長さんが用意してくれてました。
で、ブラブラと歩いてると、前からいかにと偉い人っぽいのが、軍人を何人か引き連れてやってきた。
ロシアの大統領さんでした。
公英ほどじゃないけど、しっかり体が鍛え上げられていて、探索者をやめた後もトレーニングを欠かしてないのが一目瞭然だ。
「特級狭間の攻略に感謝を」
「いえいえ。ちゃんと要請してくれましたし、報酬ももらってるんで。お気になさらず」
「探索者派遣の件も助かりました。次こそは自国のみで攻略したいものです」
「そうなったら俺も楽になって助かりますね。まあ、焦らずいきましょう。焦って判断を誤るとロクな事にならないですからね。どこかの国のように」
するとニコニコしてた大統領さんの顔が引き攣る。ロシアはセーフだったから気にする必要はないと思うけどね。
でもこの人はちょっと焦りがあるように見える。落ち着かないと判断を誤りそうだ。
「……私は焦りすぎか」
「まあ、俺のせいで世界が変わっていくのが早いのもありますけど、それでも焦りすぎは良くないですよ。心配しなくても、まともな国なら見放したりはしません」
まとな国ならね。
その後も軽く雑談をしたりした。
大統領さんは公英とウマが合ったようで、トレーニングについて仲良く話してた。
これは筋肉が感染したのか、元から筋肉ウイルスを持っていたのか。
後者のような気がするね。
クレムリンを後にして、その日の観光は終了。翌日に向かったのは、ボリショイ劇場。
バレエの最高峰とも呼ばれてる場所らしい。俺はバレエなんて見た事もないし、正直あんまり興味がなかったけど、女性陣が行きたそうにしてたから来てみた。
ここは何ヶ月も前からチケットを予約してないといけない場所なんだけど、ここも使徒様のご威光が発揮された。急な来客用のVIP席を用意してくれました。
使えるコネはなんでも使いますよ、ええ。
で、実際にバレエを見てみた。
申し訳ないけど、あんまり良さが分からなかった。いや、洗練された動きとかは凄いなって思ったけど、バレエって物語性があったりするんだよね?
感受性が豊かだと自負してたけど、俺にはちょっぴり理解できなかった。
公英は意外にもハマってたな。
いや、意外じゃないか。なんかちょこちょこインテリを挟んだりしてくるもんな。
「ああいう引き締まった筋肉も良いものだな!」
「着眼点がおかしい」
確かに肩の筋肉とか凄かったけど。
それでいて美しいの維持してるんだからね。
女三人も大満足だった様子。
まあ、みんなが満足したならオッケーです。
その後も色々回っては食べてを繰り返して帰国。攻略が早く終わった事もあって、合計の滞在時間は一ヶ月もなかったな。
「何回食べてもビーフストロガノフには違和感があるな。美味しいから良いんだけど」
でも帰ったらハヤシライスを食べよう。
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