第187話 三人の車


 そしてやって来ました。

 いつぞやのカーショップへ。


 「使徒様。お久しぶりです」


 「久しぶり。今日もよろしく頼むよ」


 今日の案内もゲーセンで知り合ったカーディーラーの青年。

 あの時に名刺を貰ってたから、車買いに行きますって連絡しておいたんだよね。


 今日もしっかりお出迎えしてくれた。

 ありがたい限りである。


 「今日はこの三人が車の車を買いたくて」


 「はい! スポーツカーですね!」


 そうなのかな?

 ちょっと俺はあんまり車に詳しくなくて。

 カッコいいかそうじゃないか、便利かそうじゃないかってぐらいの判断基準しかない。


 俺が買ったランエボだって、ゲームで使ってたからって理由で買っただけだし。


 「本当になんでも置いてあるのだな!!」


 「RX-8か7はどこかしらぁ?」


 「うぅ。ある程度決めてきたつもりですけど、こうして実際に見ると目移りしちゃいますねっ!」


 今日購入する予定の三人もテンションがかなり高い。はしゃぎながら、一人一人につけられたディーラーさんと話して車を見ている。


 「俺もこうして見ると新しいのが欲しくなっちゃうな」


 「あたしも〜」


 地下駐車場には滅茶苦茶空きがあるし。

 でもなぁ。一回もまともに乗ってないのに、他の車に浮気するのは如何なものか。


 陽花が見てるRX-7とかも気になる。

 映画で乗ってたハ◯のキャラが大好きなんだよね。あの飄々としてる感じがたまりません。


 「俺様はこれだ! アメ車は運転席も広めだしな!!」


 そうこうしてるうちに、公英は早速決まったらしい。まあ、ダッジチャージャーなんだけど。公英はずっと言ってたしな。


 「オレンジのRX-7があるとは思ってませんでしたぁ。私はこれにしますぅ」


 陽花はもろ映画カラーのRX-7を選択。

 最初は8って言ってたのにな。やはり色が決め手か。車って簡単に色を変えたり出来るのかね? 


 「うぅ。どっちにしましょう…」


 神田さんがウロウロしてるのは、GT-RとフェアレディZ。どちらかに絞ったみたいだけど、まだ決めかねてるみたいだ。


 「どっちも買ったら?」


 「いえ、流石にそこまで贅沢する訳には!」


 贅沢って。

 そりゃ世間一般からしたら贅沢だけど、神田さんが持ってる金額からすると、端金だと思うよ? 海外遠征で攻略しまくって、すんごいお金が入ってきてるんだから。


 まあ、俺自体が1台しか買ってないからあんまり言えないんだけど。

 いや、ランエボだけじゃなくて他にも車はあるけど、それはそれ、これはこれだ。


 「GT-Rにします!」


 15分程ウロウロして悩んでたけど、GT-Rにしたみたいだ。後ろのお目目がかっこいいよねぇ。


 「では、なるべく早く納車出来るように全力を尽くします!!!」


 「いや、他の業務とかの兼ね合いがあるだろうし、ゆっくりでいいよ。どうせ俺達は基本的に暇してるし」


 皆さん気合いが入ってるみたいで嬉しい限りだけど、あんまり無理しないようにお願いします。俺達は遊びに行くだけなんだから。


 「よっし! 納車するまでゲーセンで練習するか!」


 「んふふ〜! あたしのスープラちゃんが最強って事を分からせてあげるよ〜!」


 カーショップからそのままゲーセンへ。

 レースゲームをやったり、シューティングゲームをやったり、カードゲームをやったり。


 とにかくいっぱいゲームを楽しみました。

 7時間ぐらい滞在したんじゃないかな。それぐらい久々にはっちゃけた。



 それからしばらくして。

 そろそろ納車だとみんなで楽しみにしてた頃。


 ロシアからの攻略要請がきた。

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