第186話 深夜のサクラデラックス
陽花と公英は既にお休みになってたので、久々に桜と二人でお出かけ。
とは言っても、深夜に吉野さんに行くだけなんだが。
「んふふ〜」
まあ、桜さんがご機嫌なので良いだろう。
車で行っても良かったけど、歩いて10分ぐらいの所にあるので歩いて向かう。
たまには深夜の街中を歩くのも悪くあるまい。
「思ったよりも人が居ないね〜」
「そりゃお前、4時前だぞ? 出社するにはまだ早いし、普通の人は寝てる時間だ」
まあ、俺は溜まってたドラマを見る為に夜更かししてましたけど。昼にやってる再放送のドラマとか普通に面白いからね。
100年経って、俳優さんとか女優さんとか全然知らないけど。
流石に俺が異世界に行く前に活躍してた人達の作品を見るなら、そういう動画サイトを漁るか、DVDとかを借りに行くしかない。それも骨董品扱いだけど。
「し、使徒様!? 桜たん!?」
「どうもお邪魔します」
「しま〜す」
そんなこんなで吉野さんに到着。
やっぱり時間が時間だからか、お客さんは居なかった。普通に居る時もあるだろうけどね。
店員さんにびっくりされたけど、それはさておき。
「じゃあこのサクラデラックスの特盛と--」
当たり前のように大量注文。
楽してたのにごめんなさいね。
急に厄介な客が来ちゃって。
「うまっ。サクラデラックスうまっ!」
「んふふ〜。でしょでしょ〜? 頑張って考えたんだから〜!」
俺は生涯ネギ玉牛丼推しから変えるつもりはないけど、サクラデラックスも普通に美味しい。
「あ、でも期間限定なんだ」
「好評だったら第二弾を出す予定なんだよ〜。ありがたい事に結構みんな食べてくれてるみた〜い」
忖度抜きで普通に美味しいからね。
値段もお安いし、そりゃ人気が出るだろうよ。
その後も色々食べて退店。
吉野さんで二人で8000円って食べ過ぎかな? サクラデラックス特盛とか三回お代わりしたし。従業員さんもすみませんね。
深夜のリラックスタイムにこんな食い散らかしちゃって。
「ありがとうございましたー!」
俺と桜のサインをあげたらにっこにこだったから、許してもらったと思っておこう。
こういう時は人気者ってお得だよね。
サイン書いてにっこりしておけば、大抵向こうも笑顔になってくれる。
これも日頃からイメージ作りを頑張っておいたお陰だな。
「神田七海! ただいま帰還しましたっ!」
「おかえり〜。合格したの〜?」
「一回落ちました!」
「落ちたんかい」
神田さんが約2週間振りに戻ってきた。
運転免許は一回落ちたけど、しっかり取得は出来たみたいだ。
この2週間。
ロシアからの攻略要請を待ってたんだけど、未だに来ない。国内での攻略を諦めてないみたいだ。
まだ1級が残ってる国としては。
ロシア(禁忌領域)
アメリカ(禁忌領域)
中国
イタリア
スイス
スペイン
オーストラリア
ハワイ
バチカン
ハワイはアメリカだけど、それはさておきだ。
「どこからも来ないんだよなぁ」
「アメリカとバチカンからは来てるでしょ〜」
もうあれはノーカンよ。
アメリカはようやく本格的に焦り始めたみたいだけど。もう上層部が丸々すげ変わるぐらいしないと無理じゃないですかね。
あんな馬鹿な条件を出してくる上層部はどの道近い将来問題を起こしそうですよ。
「オーストラリアとスイスは一応話はあるみたいだけどな。国も要請する気はあるっぽいんだけど、自国でなんとかならないかなーって思ってるみたい」
「まあ〜頼らずに攻略出来るのが一番だよね〜」
そうだな。
1級ならワンチャンある可能性はある。
被害はかなり出るだろうけど。日本でもしっかり準備して割とギリギリだったんだからな。
「まっ、来ないなら来ないでいっか。神田さんが免許取った事だし、車買いに行こうぜ」
「お待たせしましたっ!」
「スープラちゃんでかっ飛ばすよ〜」
まずはゲーセンで模擬練習してからだな。
あれを練習扱いにしたら、一般人は間違いなく死ぬだろうけど。
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