第174話 お花畑
「アメリカ、イギリス、ロシアから攻略要請が来ないんだが」
「意地張ってるのかな〜」
なんとなくBBQ配信をしてから一週間が経った。一つの国を除いて、どこからも攻略要請が来ない。
「アメリカは絶対要請してくると思ったけどな」
「アジアの人間に頼るのは嫌だ〜みたいな勢力はどれだけ時代が進んでもいるからね〜」
白人至上主義な。未だにいるのか。
あれはアジア関係なく、白人以外をくそだと思ってる奴らだけど。
肌の色なんてどうでも良いと思うんだけどねぇ。狭間が出て来て、能力なんてのがあるんだから。異形に変身する系能力だっていっぱいあるじゃん。肌の色がどうこうとか言ってられないと思うけど。
「どんどん探索者が死んで行ってるのにな。素直にお願いしますって言うだけなのに。もし攻略出来てもその後がキツくなるぞ」
「ハワイにもあるしね〜」
探索者の数が減ったら困るだろうに。資源は確保出来ない、低難易度の狭間ですら攻略するのに人数が足りなくなって、狭間崩壊とかなっちゃったりして。どうするんだろうね。
「要請が来ると思って予定を空けてたのに、暇になっちゃったな」
「ゲーセン行こうよ〜。最近行ってなかったし〜」
「だな。新しいカードとかも出てるかもしれん」
バチカンから要請は毎日の様に来てるんだけどね。使徒様はポンポンペインで家で寝込んでますって事にしてる。
配信したり、今からゲーセン行ったりと嘘ついてるのは丸分かりだが。
どうでも良いね。そのうち暴発するんじゃなかろうか。してくれたらこっちも堂々と実力行使出来る。楽しみに待ってるよん。
「アメリカさんからお手紙ついた。天魔君ったら思わず焼いた。仕方がないのでお手紙書いた。さっきの手紙の内容正気?」
はい。って事でアメリカから攻略要請が来ました。ぱちぱちぱち。
面倒な事はさっさと済ましたいから、やっと行けるぜと思ったのに、内容が中々攻めていた。
まず、台湾韓国の様にアメリカの探索者を連れて行く事。
その探索者を桜達みたいに鍛え上げる事。
アメリカの探索者が一人でも死んだら、報酬は一切払わない。
アメリカの特級探索者の指示に従え。
などなど。
もうなんか色々おかしい。
アメリカさんは随分迷走してらっしゃるようで。
俺達が鍛え上げるのに、そっちの探索者の指示に従えとか訳が分からんし、探索者を一緒に連れて行くのも却下だ。
面倒ってのもあるし、あの狭間は短時間指導したところでどうしようもない。
あの難易度でそれが出来ると思ってるのかね。たくさんの死傷者を出して理解したと思ってたたんだが。
バチカン並みに頭がお花畑のようで。
しかも死んだら報酬は一切無しって。
狭間内で自殺とか平気でしてきそう。
「なんか、アメリカメディアは俺に攻略要請を出したからもう安心だみたいな感じになってるし」
「これで拒否したらだんちょ〜が悪者にされるかもね〜」
桜はケラケラ笑ってるけど、普通にありえるよね。卑怯な手を使ってらっしゃる。
俺がパンピーに優しいイメージを逆手に取ってる感じ。
「この手紙を公開しようか。SNSに丸々公開して、行く訳ねぇだろ、ファックって」
「んふふ〜。面白そ〜」
なんだよ。アメリカさんとは表面上仲が良いって聞いてたけど。
やっぱり表面上でしたか。ここまであからさまに下に見てくるとは思ってませんでしたねぇ。
「バチカンもアメリカもめんどくせぇな。これまで行った国はどこも大体歓迎してくれてたのに」
「フランスは違うよねぇ」
「あれは一部の馬鹿の暴走だろ。今回はこの内容で正式に要請してきてるんだぞ? 少なくともアメリカ上層部の総意だって事だ。フランスとは話が違う」
もう知らない。
アメリカさんは滅んでどうぞ。
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