第155話 ギルドメンバーとの交流
「ふぉぉぉおおお!! こんなたくさんの貴重な素材を貰っても良いんですか!?」
「うん。いつも頑張ってくれてるからね。ボーナスと思って頑張って欲しい」
翌日。そういえば昨日はBBQの様子を配信するかって話をしてたのに、結局しなかったなぁなんて今更思い出したのはさておき。
山田花子さんに会いに来た。
相変わらずボサボサの髪でなにやら実験をしてたんだけど、俺が素材を渡すと奇声をあげて発狂した。生産者っぽい。
「ああ…。『シークレット』に雇われて良かったです…。潤沢な研究資金に貴重な素材の数々! 今なら私、なんでも作れちゃいそうです!」
「ほう」
言ったな? 言質とったぞ?
作って欲しい魔道具がたくさんあるんだ。
「織田さんの頼みなら! 限界を超えてみせますよ!!」
「いや、そこまでしなくて良いんだけど」
程々で。程々で良いんだ。山田花子さんにはこれからも作って欲しい魔道具はいっぱいある。
体調を崩さない程度に末長く頑張って欲しい。
「これは…? ギアスロールですか? 珍しいですね」
「ああ。申し訳ないけど、今回見せる魔道具は口外されると色々面倒なんだ。山田花子さんを信用してない訳じゃないけど、万が一があるからね」
ギアスロール。まぁ、契約書だわな。
お互いが合意の上でこの書面にサインすると、必ず守らないといけなくなる感じのやつだ。
狭間のドロップでも偶に出てくるアイテムで、かなり高額なアイテムである。
俺は例に如くダンジョンにこもってた時に、いっぱいドロップさせたので、結構な数を持ってるが。
「はい! 書きました!」
「よし! 山田花子さんに作ってもらたいのはこれだ!!」
「前から思ってたんですけど、なんで私を呼ぶ時はフルネームなんですか?」
「分からん」
なんか山田花子ってフルネームで呼びたくなるんだよね。こう、しっくりくると言いますか。
山田花子さんに作ってもらいたい魔道具の数々を見せた。申し訳ないが貴重な魔道具ばかりなので、俺が監督してる時しか魔道具を見せてあげる事は出来ないが、是非頑張ってほしい。
まずは快眠出来る枕からお願いします。
で、山田花子さんの居城の生産施設をあとにして、次に向かったのは面接の時に話が盛り上がった『玩具製作(18禁)』の金髪チャラ男君である。
今は赤髪のチャラ男だが。ちょこちょこと色が変わってる。おしゃれさんなんだろうな。
「あ、天魔さん! お疲れっす!」
「おう。例のブツは?」
「ぐへへへ。ばっちりっすよ、旦那ぁ」
「くくくくっ。お主も悪よのぉ」
こいつと喋るのはほんとに楽しい。
若かりし頃に戻れる感じがするんだよ。
なんか学生時代のノリみたいな。残念ながら俺はほとんど謳歌してないんだけど。
この赤髪のチャラ男。
名前を佐藤 太郎君という。ちゃんと本名だ。
山田花子さんといい、なんかすっごい平凡な名前である。
現在16歳で高校に通いながらバイト感覚で『シークレット』で働いてくれている。
見た目はチャラ男だけど、母子家庭で母親の負担を少しでも減らそうと一生懸命働いてくれるナイスガイだ。因みに母親も雇った。事務員さんです。
「ふむふむ。今回のも中々良さそうだ」
「最近インスピレーション湧きまくりなんすよね。作るのも楽しいですし」
なんの話をしてるのか。勿論大人の玩具の話だ。
佐藤太郎君に玩具を作ってもらっては、俺は毎夜の如く桜と陽花と楽しんでるのである。
16歳になんてものを作らせてるんだなんて固い事は言わないで欲しい。エロに年齢なんて関係ないのである。このギルドでは俺がルールです。
「あ、そういえばお前にまた仕事が入ってるらしいぞ。前回のセットが評判良かったみたいだな」
「お! マジっすか!」
『玩具製作(18禁)』はムフフなアイテムと思われがちだが、それ以外のグロい系の玩具も作れる。
で、それを『シークレット』の営業部が映画関係者に売り込んでみた訳だ。
それが結構なクオリティだったみたいで。また作ってほしいって依頼がきてる。
「時給アップは間違い無しだな。この調子で頑張っておくれ」
「うっす!」
まぁ、俺も大人の玩具を作ってもらうたびに、俺のポケットマネーからボーナスを渡したりしてるんだが。個人的なモノだしね。
「きゃるるん! 続いては『シークレット』から新しい商品を発売するよ!」
適当にギルド事務所を歩き回ってたら、アイドル娘がカメラに向かってきゃぴきゃぴしてた。
名前は土留 愛さん。
あの子はうちの広報担当だ。人見知りなので、ネットを通してになるけど。意外と人気でファンクラブなんてのもあるらしい。
「これはボタン一つで部屋を綺麗にしてくれる優れもの! 魔石も安いから主婦の人は大助かりだよ!!」
あ、とうとうあれ売るんだ。
結構前に作ったけど、人手が足りないって見送ってたんだよね。最近は足りない部署は随時雇っていってるし、ようやく余裕ができた感じかな。
「ぁ、織田さん…。ぉ疲れさまです…」
動画撮影が終わって無敵のアイドル状態じゃなくなったアイドル娘は俺を見てビクビクしながら声を掛けてきた。これは俺がビビられてる訳じゃなくて、全方位にそうなんだよね。
「そろそろ慣れてもいいと思うけど」
「む、無理です…」
なんでだろうね。
あのきゃるるんしてる時の方がよっぽどイキイキしてて面白いと思うけど。
仕事とプライベートは別ってか。
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