第154話 魔道具とその他
「さてと。魔道具だな」
「どんなのが出てくるのかな〜」
「私も楽しみですっ!」
期待してもらってるところ悪いけどね。
いい感じの能力が付与された魔道具なんて極一部だよ? ダンジョンのドロップは運だし、ジョークグッズなんてのもいっぱいある。
向こうの魔道具師に作ってもらったのもあるけど、ダンジョンの大当たりに比べると、どうしても劣るからなぁ。
「この枕も魔道具なの〜?」
「あ、それがあったや。大事なやつなのになんで今まで忘れてたんだろう」
俺がポイポイと適当にアイテムボックスから魔道具を放り投げてると、枕が気になったのか、桜が聞いてきた。
まぁ、滅茶苦茶快眠出来る枕ってだけなんだけど。翌朝気分爽快ですよ。普通に使えるやつだ。
今まで使ってなかったのが勿体無いくらい優秀な魔道具です。
「へぇ〜。ポテちゃんのベッドに置いてあげよ〜っと〜」
………。まぁ構わんが。忘れてたしね。
出来れば使いたかった。山田花子さんに作れるかお願いしてみよう。だから、その魔道具は一旦山田花子さんに見せるよ。ポテ行きはもう少し待ってね。
「だ、だ、団長さん! こ、これって!」
「あー見つけちゃいましたか」
陽花が珍しく取り乱して一つの魔道具を見せてくる。まぁ、滅茶苦茶美味しい炭酸水が出るってだけの魔道具なんだが。
酒飲みには嬉しい魔道具だろうな。なんか炭酸で割ったりするんでしょ? あんまりお酒に詳しくないから知らないけど。どうぞ、持って行って下さい。
「この巻物はなんですか?」
「それに魔力を流したら魔法を使えるぞ。使い捨てだけど」
「凄いじゃないですか! これはなんの魔法ですか?」
えーっと、それはなんだろうな。
それ、俺でも巻物を用意してくれたら作れるんだよね。だから、その巻物を無くさなかったら、魔法を付与してくれる人がいるなら便利だと思う。
「あ、ただの
「それって、織田さんが狭間崩壊の時に使ったやつじゃないです…?」
「まぁ、そうだね」
「危ない代物ですっ!」
危ないっちゃ危ないわな。
それを使えば気軽にテロが出来るぞ。
しかも自爆テロにはならない。巻物を発動した人にはダメージがいかないようになってるからね。
出すところに出したらやばいやつだ。
神田さんはビビりながら『封印ですっ!』って言って魔法鞄に収納した。可愛い。
「これは他のモノと違って大きいな!」
「それかー」
この魔道具はなぁ。
一個しかなくてかなり貴重なんだ。
よく闘技場で使われてるやつなんだけど、この魔道具の効果範囲でなら死なないってやつ。
正確には一定以上のダメージを受けると外に効果範囲外に弾き出されるってやつ。
「ほう! 将来的には探索者オリンピックなんてのを開催したら面白そうではないか!」
「俺もいつかやれたら面白いだろうなぁって思ってるんだけど」
一個しかないから貸し出ししたくないんだよね。
山田花子さんが複製してくれる事を祈る。
困ったら山田花子さん。あの人には苦労をかけるな。給料を上げるべきか。いや、珍しい素材の方が喜ぶかな? 聞いておこう。
「魔道具はこんなもんか」
「ほんとにしょ〜もない効果の魔道具もたくさんあったね〜」
ただ回転するだけの魔道具とかな。
何かしらに使い道があるだろうけど。
多分。賢い人が見たら発狂するかもしれんな。
「後はポーション類とかのお薬関係。金銀財宝に美術品とかもあるけど」
これはマジで数が多い。
貧乏性の心配性だから、ポーションやら蘇生薬やらはしこたま確保してたし、金銀財宝はダンジョンにこもってたら勝手に溜まる。
美術品もダンジョンから出るし、国から貰ったのだったり、破壊する前にパクったのだってある。
「公英に適当に渡すから良い感じに飾ってもらおう。後は魔法鞄の中に整理しておこうか」
って事でまずは大量に金銀財宝を出しては魔法鞄の中に放り込んでいく。
いやぁ。本当に手伝ってくれる人がいて良かったです。お礼に好きなの持って行っていいからね。
そこらの金の延べ棒とか。いっぱいあるし、じゃんじゃん持って行っちゃってよ。
「ほーう! 異世界の画家も侮れんな! 中々良い作品ではないか!」
「むっ! この壺も中々! 名のある職人の作品か?」
「この陶器は現代でも通用しそうではないか!」
やたらと公英のテンションが高い。
俺に良し悪しは分からないんだけどね。
すげーきれーぐらいの感想しか出ませんよ。
やれ、タッチが云々、装飾が云々とうるさい公英。そんなに欲しいならあげるけど。
自分の部屋に飾ればいいじゃんね。
「これはリビングの雰囲気に合うな! むっ! これはラウンジに良さそうだ!」
気付けばリビングとかに飾る作品やらを厳選してらっしゃる。
楽しそうでなにより。気の済むまでやってください。
「警備用の魔道具を置きまして」
最後に結界をぺたり。神田さんのシャコパンチや公英の本気パンチでもビクともしない結界ですよ。
入りたい人は俺に許可を取りに来てね。万が一結界を抜かれても人に反応してレーザーが飛んでくる魔道具があるし。これで警備は万全だろう。
「よし。アイテムボックスの整理は終わり」
これで生産ギルドにいつ会いに行ってもボロは出ないはず。俺の事だからあんまり信用出来ないけど。とりあえず明日は山田花子さんに会いに行くかな。
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