一抹の希望

(創造する。)

颯斗は手始めに二つあったYouTubeチャンネルを一つにした。なぜ二つ作っていたかというと一つのチャンネルは以前別の名前で使っていて、知り合いが知っているからだ。知り合いに見られるのが恥ずかしくて練習用としてもう一個チャンネルを作り二つ運営していたのだ。

(知り合いに見られるならいい動画をあげたい。)

そんな弱い自分のために別のチャンネルを作り知り合いに見られる本番用のチャンネルと練習用のチャンネルに動画をあげていた。だが二つ運営し始めてもなかなか本番用には動画をあげられない。知り合いに見られるからだ。練習用のチャンネルだけに動画が増えていく。

颯斗は頭が悪い。そして不器用なのだ。練習用と本番用などと分けて動画を投稿などできないのだ。それに気づいた颯斗はYouTubeチャンネルを1個に絞りそこに動画をあげていく事に決めたのだ。

颯斗は考えた。自分を動画に出すのはハードルが高い。自分の頭の中にあるものを形にしたい。そう考えて気づいたらホワイトボードに絵を書いていた。

”おばけの三太郎”という絵だ。ほぼドラえもんをパクったおばけを書いた。そしてその絵に自分が考えてることをそのおばけに言わせた。

(これだ!)

(これなら自分を動画に出さなくても表現できる!)

颯斗はもう1枚もう1枚と絵とセリフを書いていく。

(YouTubeにはこの絵にアフレコしてアニメとして出そう!そして漫画としてはニコニコ漫画に出してみよう!)

(TikTokやInstagramにも投稿してみよう)

1つのアイディアが他のアイディアも生む。この絵を書いてセリフを書くというスタイルが今後一生颯斗の助けになるかはわからない。また自分を動画に出すスタイルになるかもしれない。正解はわからないけれど颯斗はこのやり方に一抹の希望を感じていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る